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三菱電機、オフィス空調を時間帯やエリア別に自動制御するシステムの実証実験を開始
三菱電機は、オフィスビル内の空調を自動制御するシステムの実証実験を2025年8月26日に開始した。空調機器を管理する「建物OS」(清水建設製)と、ビル内の設備や環境などのデータを管理する基盤を連携し、省エネと快適性を両立できるようにする。同日に発表した。
三菱電機が実証するのは、オフィスの空調をAI(人工知能)技術を使って制御・最適化するシステム。ビルのエネルギー消費量を抑えつつ、時間帯や利用エリアごとに空調を最適化し、オフィスの利用者が快適に過ごせる空気環境を提供できるようにするのが目的だ(図1)。
実験は、オフィスビル「横浜アイマークプレイス」(横浜市西区)の10階にある三菱電機の共創拠点「Serendie(セレンディ)Street Yokohama」で、2025年8月26日から2026年2月25日まで実施する。
分析対象データには、空調機器の稼働データに加え、Serendie Street Yokohamaに設置されている環境センサーで取得する温湿度や人の在席位置および、外気温や日射量といったオープンデータを利用する。これらデータをリアルタイムに分析し、最も効率的な空調機器の運転方法を導き出し機器に反映する。機器は三菱電機製だけでなく他社製も制御できるようにする。
オフィス利用者の在席位置や会議室などのレイアウト情報も取り込み、空調をよりきめ細かく制御する仕組みも検証する。従来のオフィスでは、快適性を優先するとエネルギー消費が増加し、省エネを優先すると快適性が損なわれる傾向があった。
データは、三菱電機が提供するデータ基盤「Serendie」に集約・分析し、清水建設が開発した建物OS「DX-Core(ディーエックスコア)」によって空調機器を制御する。
三菱電機によれば、建物のエネルギー消費量にに占める空調の割合は大きく、その制御効率を高めることが脱炭素社会の実現に向けた課題になっている。
企業/組織名 | 三菱電機 |
業種 | 製造 |
地域 | 横浜市西区(三菱電機の共創拠点「Serendie Street Yokohama」) |
課題 | 空調においてトレードオフの関係にある省エネと快適性を、オフィス利用者の活動実態に合わせて最適に制御したい |
解決の仕組み | 空調設備の稼働データや室内環境データを基に最適な制御方法をAI技術で分析し、連携する建物OSから空調を制御する |
推進母体/体制 | 三菱電機、清水建設 |
活用しているデータ | 空調機器の稼働データ、温湿度、人の在席位置、レイアウト情報などの室内環境データ、外気温や日射量などのオープンデータ |
採用している製品/サービス/技術 | データ基盤「Serendie」(三菱電機製)、建物OS「DX-Core」(清水建設製) |
稼働時期 | 2025年8月26日~2026年2月25日(実証実験期間) |