- UseCase
- 流通・小売り
外食チェーンのロイヤルHDら、食品のサプライチェーンで需要予測データを共有するプロジェクトを始動
ファミリーレストランの「ロイヤルホスト」などを展開するロイヤルホールディングスは、食材の仕入れ先や流通業者との店頭での需要予測データを共有しサプライチェーン全体での在庫の回転率の向上や食品ロスの削減を目指すプロジェクトを立ち上げた。双日食料、デリカフーズ、Goalsが参加する。2025年8月27日に発表した。
「ロイヤルホスト」や「天丼てんや」を展開するロイヤルホールディングスが立ち上げたのは、食品サプライチェーン全体の在庫最適化を図る「需給調整プラットフォーム構築プロジェクト」。ロイヤルグループの需要予測データをサプライチェーンを構成する各社の仕入れや製造計画にも利用し、全体としての在庫の最適化を図り、食品ロスを削減するのが目的だ(図1)。
プロジェクトには、食品専門商社の双日食料、青果物の調達・加工業のデリカフーズ、需要予測サービスを開発するGoalsが参加する。双日食料は商社としての知見を生かし流通全体の需給を管理して物流業務の効率化を進める。デリカフーズは青果の専門家として、需要予測データを実際の仕入れ・製造計画に利用し需給調整や鮮度向上を図る。Goalsは需要予測サービス「HANZO 自動発注」を提供する。
プロジェクトの実証に向けて、ロイヤルグループは2025年2月、HANZO 自動発注をロイヤルホストと天丼てんやの各店舗での運用を開始した。商品の出数傾向や客数の予測、天候データなどから食材の使用量を予測し自動で発注する。これまでに、食材の過剰な仕入れや品切れを防ぎ、食材ロスの削減や在庫回転率の改善などが実現できたという。
そのうえで2025年8月から、天丼てんやの一部商品を対象に、HANZO 自動発注が蓄積している需要予測データと実際の発注傾向を、双日食料とデリカフーズと共有する実証実験を開始した。食材の物流センターにおける入出庫計画や在庫計画の精度向上、需給調整の精度向上や青果の鮮度向上を目指す。ロイヤルグループでは食材は全国の複数拠点から店舗へ配送している。
実験では、在庫不足が発生しない状態での在庫量の削減や、保管スペースの縮小などへの効果の有効性や、継続的な展開に向けた実現性を評価・検証をしながら、段階的に対象業態や品目の拡大を検討する。
将来的には、店舗における自動発注から物流センターでの入出庫・在庫管理、購買部門による発注までを一気通貫で自動化する仕組みの構築を目指すという。
企業/組織名 | ロイヤルホールディングス(ロイヤルグループ)、双日食料、デリカフーズ、Goals |
業種 | 流通・小売り |
地域 | 福岡市(ロイヤルグループ本社)ほか |
課題 | 食材のサプライチェーン全体で在庫の最適化を図り廃棄ロスを減らしたい |
解決の仕組み | 各店舗の需要予測データと実際の食材発注傾向を物流事業者や仕入れ先と共有し、それぞれの業務計画に反映することで在庫の最適化を図る |
推進母体/体制 | ロイヤルホールディングス、双日食料、デリカフーズ、Goals |
活用しているデータ | 商品の出数傾向、客数予約、天候データ、およびこれらを基にした需要予測データ、実際の食材の発注傾向など |
採用している製品/サービス/技術 | 需要予測サービス「HANZO 自動発注」(Goals製) |
稼働時期 | 2025年8月(天丼てんやでの実証実験の開始時期) |