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日本郵船、自動車専用船の配送計画を策定するAIシステムを導入

DIGITAL X 編集部
2025年9月25日

日本郵船は2025年7月、自動車専用船の配送計画を策定するためのAI(人工知能)システムを稼働させた。数カ月先までの最大数百万通りが考えられる配船を10分程度で試算し、そこから最適な計画を立案する。2025年9月22日に発表した。

 日本郵船が2025年7月に稼働させた「配送計画最適化システム」は、自動車専用船の配船計画を策定するためのAI(人工知能)システム。数カ月先までの最大数百万通りある配船を10分程度で試算し、その中から最も合理的な配船計画を立案する。船舶の稼働率や輸送効率、輸送コストなどの最適化を図るのが狙い。

図1:日本郵船が稼働させた「配送計画最適化システム」の概要

 配送計画最適化システムは、顧客ニーズや、船隊の稼働状況や修繕予定、港での滞船リスクなどのデータを元に配船を試算する。日本郵船は自動車専用船を100隻以上運航しており、その配船計画業務では、数カ月先までの数百の航海に対し種々の条件を総合的に考慮する必要があり、複雑かつ属人的なものになっていた。

 新システムでは、次世代燃料船の利用状況やカーボンプライスなどを考慮した配船が可能で、GHG(Green House Gas:温室効果ガス)排出量の削減も期待する。

 配送計画最適化システムは、船舶運航技術を開発するMTIとAI技術を開発するグリッドの2社とで共同開発した。今後も2社とともに、自動車専用船業務の高度化と効率化を進めるとしている。

デジタル変革(DX)への取り組み内容
企業/組織名日本郵船
業種物流
地域東京都千代田区(本社)
課題自動車専用船の配船計画立案では、種々の条件を総合的に考慮する必要があり、複雑かつ属人的なものになっていた
解決の仕組み自動車専用船の配船計画を策定するAI(人工知能)システムを開発・導入する
推進母体/体制日本郵船、MTI、グリッド
活用しているデータ顧客ニーズ、船隊の稼働状況や修繕予定、港湾の混雑情報、次世代燃料船の活用状況やカーボンプライスなど
採用している製品/サービス/技術--
稼働時期2025年7月