• UseCase
  • 製造

自動車部品のオイレス工業、国内外10拠点で顧客・案件情報を一元化し営業部門で共有

ANDG CO., LTD.
2025年9月26日

自動車部品メーカーのオイレス工業は、国内外10拠点の自動車軸受事業部において、顧客・案件情報を一元化し営業部門で共有する。そのためのCRM(Customer Relationship Management:顧客関係管理)システムを導入した。案件の進捗をリアルタイムに可視化し、拠点間の連携強化と戦略的な営業活動の推進につなげる。CRMシステムを提供した印Zohoの日本法人が2025年9月11日に発表した。

 自動車部品メーカーのオイレス工業は、オイルレスベアリング(無給油式軸受)の製造大手。このほど自動車軸受事業部の情報共有基盤としてCRM(Customer Relationship Management:顧客関係管理)システムを導入した。拠点間の連携を強化し組織全体での営業力を高め、市場変化に追随できる営業活動を戦略的に立案するのが目的だ。

 CRMシステムは、国内5拠点と、米国、中国、ドイツ、インド、タイの海外5拠点の営業部門が利用する。営業段階として(1)見込み(顧客になる可能性がある段階)、(2)引き合い(製造や見積もりの交渉段階)、(3)量産中(受注後、生産に移った段階)の3つの取引状況の流れが分かるようにした。

 案件情報の一元管理の効果としてオイレス工業は「担当者が不在の際に、他の従業員が過去の経緯を把握したうえで顧客対応ができている」とする。重要なタスクについてはCRMシステムの通知機能を利用し「納期遵守を徹底している」ともいう。

 CRMシステムのダッシュボードでは、データ分析ツールと連携し、3つの段階での個人目標や予実の達成状況などを表示する(図1)。複雑な案件の進捗状況も、担当者や管理者らがリアルタイムに把握できることで「“数字を意識する文化”を醸成し、目標達成に向けた組織全体の意識改革につながっている」としている。

図1:CRM(顧客関係管理)システムのダッシュボードの画面例

 オイレス工業の自動車軸受事業部ではこれまで、顧客・案件はExcelで管理してきた。しかし、作成したファイルは各担当者のローカル環境に散在し、活動履歴が蓄積されないなどの属人化が課題になっていた。国内外の営業拠点間の情報は月次の報告会で共有するだけで、機動的な連携に支障が生じていた。

 CRMシステムには「Zoho CRM」(印Zoho製)を導入した。2023年からシステム選定を本格的に進め、データ分析ツール「Zoho Analytics」(同)などとの連携による拡張性や段階的に機能を追加できること、日本語による支援を評価したという。

デジタル変革(DX)への取り組み内容
企業/組織名オイレス工業
業種製造
地域神奈川県藤沢市(本店)
課題顧客・案件の情報が国内外の拠点間で属人的に管理されており、機動的な営業活動が展開できていない
解決の仕組み組織全体で営業情報を一元管理し国内外で共有するとともに、予実や目標達成度をダッシュボードで可視化し営業活動の機動力を高める
推進母体/体制オイレス工業、印Zoho日本法人
活用しているデータ顧客・案件データ、営業活動履歴
採用している製品/サービス/技術CRMシステム「Zoho CRM」(印Zoho製)、データ分析ツール「Zoho Analytics」(同)
稼働時期--