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自動車部品のオイレス工業、国内外10拠点で顧客・案件情報を一元化し営業部門で共有
自動車部品メーカーのオイレス工業は、国内外10拠点の自動車軸受事業部において、顧客・案件情報を一元化し営業部門で共有する。そのためのCRM(Customer Relationship Management:顧客関係管理)システムを導入した。案件の進捗をリアルタイムに可視化し、拠点間の連携強化と戦略的な営業活動の推進につなげる。CRMシステムを提供した印Zohoの日本法人が2025年9月11日に発表した。
自動車部品メーカーのオイレス工業は、オイルレスベアリング(無給油式軸受)の製造大手。このほど自動車軸受事業部の情報共有基盤としてCRM(Customer Relationship Management:顧客関係管理)システムを導入した。拠点間の連携を強化し組織全体での営業力を高め、市場変化に追随できる営業活動を戦略的に立案するのが目的だ。
CRMシステムは、国内5拠点と、米国、中国、ドイツ、インド、タイの海外5拠点の営業部門が利用する。営業段階として(1)見込み(顧客になる可能性がある段階)、(2)引き合い(製造や見積もりの交渉段階)、(3)量産中(受注後、生産に移った段階)の3つの取引状況の流れが分かるようにした。
案件情報の一元管理の効果としてオイレス工業は「担当者が不在の際に、他の従業員が過去の経緯を把握したうえで顧客対応ができている」とする。重要なタスクについてはCRMシステムの通知機能を利用し「納期遵守を徹底している」ともいう。
CRMシステムのダッシュボードでは、データ分析ツールと連携し、3つの段階での個人目標や予実の達成状況などを表示する(図1)。複雑な案件の進捗状況も、担当者や管理者らがリアルタイムに把握できることで「“数字を意識する文化”を醸成し、目標達成に向けた組織全体の意識改革につながっている」としている。
オイレス工業の自動車軸受事業部ではこれまで、顧客・案件はExcelで管理してきた。しかし、作成したファイルは各担当者のローカル環境に散在し、活動履歴が蓄積されないなどの属人化が課題になっていた。国内外の営業拠点間の情報は月次の報告会で共有するだけで、機動的な連携に支障が生じていた。
CRMシステムには「Zoho CRM」(印Zoho製)を導入した。2023年からシステム選定を本格的に進め、データ分析ツール「Zoho Analytics」(同)などとの連携による拡張性や段階的に機能を追加できること、日本語による支援を評価したという。
企業/組織名 | オイレス工業 |
業種 | 製造 |
地域 | 神奈川県藤沢市(本店) |
課題 | 顧客・案件の情報が国内外の拠点間で属人的に管理されており、機動的な営業活動が展開できていない |
解決の仕組み | 組織全体で営業情報を一元管理し国内外で共有するとともに、予実や目標達成度をダッシュボードで可視化し営業活動の機動力を高める |
推進母体/体制 | オイレス工業、印Zoho日本法人 |
活用しているデータ | 顧客・案件データ、営業活動履歴 |
採用している製品/サービス/技術 | CRMシステム「Zoho CRM」(印Zoho製)、データ分析ツール「Zoho Analytics」(同) |
稼働時期 | -- |