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医薬品物流のケーエスケー、配送計画立案の自動化に向けた物流管理システムを試験導入

ANDG CO., LTD.
2025年9月30日

医薬品物流大手のケーエスケーは、配送計画立案の自動化に向けた物流システムの試験導入を開始した。出荷時の検品から顧客の受領までを一元管理し、倉庫と配送のデータを統合する。物流体制の高度化を図り顧客への安定供給を強化する。2025年9月10日に発表した。

 医薬品物流大手のケーエスケーは、近畿2府4県に32の営業拠点と3つの物流センターを持ち、同エリア内の医療機関や保険薬局に医薬品を配送している。2025年9月から大阪支店において、物流センターでの出荷時の検品から顧客が商品を受領までを一元管理するシステムの試験導入を始めている。外部の環境変化に対応できる物流体制を整備し、配送計画の自動立案を含め、医療現場への安定供給を強化する(図1)。成果を検証し全拠点に展開する計画だ。

図1:ケーエスケーが大阪支店に試験導入した物流管理システムの概要

 新システムでは倉庫と配送の実績データを一元管理し現場の状況を可視化する。作業者ごとの荷役状況やルート別の走行実績、配送状況を管理者がオフィスなどから把握し、ドライバーにリアルタイムに配送を指示したり顧客からの配送状況の問い合わせ対応を早めたりする。ドライバーが持つナレッジやノウハウをシステムに集約し、配送効率のバラツキを改善する。

 これらのデータを独自のアルゴリズムで分析し、ドライバーの休息時間を考慮した配送計画を自動立案できるようにする。精度と速度を高め、計画やルート調整に必要だった業務時間を短縮する。計画に基づいた走行実績を蓄積し次の計画に反映させる。

 検品業務には、スマートフォン用アプリケーションを用意する。当日のコースの別に配送先ごとの伝票や荷物を一覧表示し、ラベルやバーコードをスキャンして荷合わせができるようにする。客先では、電子サインやカードタッチで受領を完了し、証跡データとして管理する。ドライバーの手作業を削減し、誤受領や紛失リスクを抑える。

 システム構築には日立製作所が協力し、物流管理システム「HITLUSTER」(日立製)と計画最適化サービス「HDSL(Hitachi Digital Solution for Logistics)」(同)を利用する。HITLUSTERでケーエスケーの各拠点間の在庫をコントロールし、HDSLでは配送計画を立てる。

デジタル変革(DX)への取り組み内容
企業/組織名ケーエスケー
業種物流
地域大阪市(本社)
課題医療機関や薬局への医薬品を安定的に供給するために配送にかかる業務効率と正確性を高めたい
解決の仕組み検品から受領までを一元管理する物流管理システムを導入し、配送にかかる業務効率を高めるとともに、最適なデータの統合管理、配送計画
推進母体/体制ケーエスケー、日立製作所
活用しているデータ倉庫実績、配送実績、車両位置情報、受領記録など
採用している製品/サービス/技術物流管理システム「HITLUSTER」(日立製作所製)、配送最適化サービス「HDSL(Hitachi Digital Solution for Logistics)」(同)
稼働時期2025年9月(大阪支店での試験導入開始時期)