• UseCase
  • 製造

メニコン、委託先の福山通運の物流センターにピッキングロボシステムを導入へ

DIGITAL X 編集部
2025年10月1日

メニコンは、物流の委託先である福山通運の物流センターにピッキングロボットシステムを導入し2026年下旬に稼働させる。マレーシアに建設中の新工場からの取り扱い量の増加と将来的な人手不足に備え省人化を進める。導入を支援するIHI物流産業システムと、ロボットベンダーの仏Exotec SAS日本法人が2025年9月1日に発表した。

 メニコンはコンタクトレンズの物流を福山通運に委託している。このほど福山通運が所有・運営する物流センター(千葉県八千代市)にピッキングロボットシステムの導入を決めた(図1)。2026年下旬からの稼働を予定する。メニコンは現在、マレーシアに新工場を建設中で2026年度(3月期)下半期に稼働させる計画だ。新工場による物流量の増加と将来的な人手不足を見据え、物流センターの自動化を進め商品の安定供給体制を維持する。

図1:福山通運の物流センターに導入する自走ロボットを使うピッキングシステムの全体イメージ

 導入するのは、前後・左右・上下の3次元方向に走行できるロボットが対象商品をピッキングし、作業者の手元まで届ける仕組み。属人的な作業に比べ、保管効率や出荷速度、作業品質を高められるとする。1万810の保管容器(BIN)を管理し、73台のロボットを配置する。

 ロボットは、オーダーごとの優先度や配送ルートを踏まえた出荷順序に合わせて制御する。EC(電子商取引)サイトと店舗向けのそれぞれに対応した処理ができるという。

 メニコン 生産開発統括本部 サプライチェーンマネージメント事業部 事業部長の加藤 利行 氏はピッキングロボの導入について、こうコメントしている。

 「近年、コンタクトレンズは顧客が自宅で受け取ることが主流になっている。130万人以上が利用する会員制サービス『メルスプラン』においても、定期的なコンタクトレンズの配送サービスはなくてはならない。配送数は年々増加しており、年末年始やお盆には、十分な物流従事者を確保することが困難になってきた。ピッキングロボの導入により、庫内作業の省人化が可能になり、物流従事者の負担軽減や、作業の正確性とスピードの向上など、多方面での改善が期待される。今後も、技術革新を積極的に取り入れながら顧客に、より価値のあるサービスを提供できるよう努めていく」

 ピッキングロボシステムには仏Exotec SASが開発する「Skypod」を採用した。導入プロジェクトはIHI物流産業システムが統括して支援し、エンジニアリングから据え付け、アフターサービスまでを担う。

デジタル変革(DX)への取り組み内容
企業/組織名メニコン
業種製造
地域千葉県八千代市(福山通運のメニコン向け物流センター)
課題新工場の稼働開始に伴う物流量の増加や将来的な人手不足に対応して安定した供給体制を維持したい
解決の仕組み物流センターにピッキングロボットシステムを導入し省人化を進める
推進母体/体制メニコン、福山通運、IHI物流産業システム、仏Exotec SAS
活用しているデータピッキング対象の商品の情報、オーダーの優先度、配送ルートなど
採用している製品/サービス/技術自走ロボットを使う倉庫管理システム「Skypod」(仏Exotec SAS製)
稼働時期2026年下旬を予定