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NTTデータMSE、14部門共通のAIヘルプデスクを構築し社内問い合わせ工数を最大7割削減

DIGITAL X 編集部
2025年10月2日

組み込みソフトウェア開発のNTTデータMSEは、全社で利用するAI(人工知能)ヘルプデスクを構築し、これまでに社内の問い合わせにかかる工数を最大7割削減できているという。ヘルプデスクを提供するHelpfeelが2025年9月10日に発表した。

 NTTデータMSEはIoT(Internet of Things:モノのインターネット)や車載機器、モバイルなどを対象に組み込みソフトウェアを開発している。従業員数は2000人だ。同社はDX(デジタルトランスフォーメーション)プロジェクトの一環でとして、AI(人工知能)ヘルプデスク「MSEコンシェルジュ」を運用している(図1)。全社の情報を一元管理し、社員が自律的に情報を取得できるようにするためだ。導入から半年で社員の6割以上が利用しており、問い合わせ対応やFAQ(良くある質問と答)の運用にかかる工数を最大で70%削減できているとする。

図1:NTTデータMSEが導入したAIヘルプデスク「MSEコンシェルジュ」による情報の取得方法の変化

 MSEコンシェルジュの導入に当たっては、全社で14ある各部門の情報を一度には統合せず、既存のFAQやイントラネット、共有フォルダから情報を抽出し、それぞれの正確性を確認しながら段階的に870に及ぶ記事を整備した。

 加えて、システム変更や全社イベントなど一時的な問い合わせ増に備え、事前にコンテンツを準備する体制も構築した。MSEコンシェルジュの利便性を継続的に高めることで、全社の生産性向上に寄与できるようにする。

 MSEコンシェルジュ導入以前は、14部門ごとに情報の管理手法が異なっていた。ベテラン社員は経験や人脈といった暗黙知により情報を入手していたが、出向者や中途入社社員は必要な情報を得るのに多くの時間がかかっていた。「申請方法を調べるだけで半日かかった」という声もあった。こうした環境は新人の戦力化を妨げ、業務全体の効率低下につながると判断しMSEコンシェルジュの導入を決めたという。

 今後は、規定やマニュアルなどPDF形式の文書から必要な情報を直接検索できる機能や、重要な情報をプッシュ配信する仕組みの導入を計画している。社員が情報を確実に受け取れる仕組みを構築し、情報伝達の精度を高めたい考えだ。

 AIヘルプデスクにはAIナレッジ管理基盤「Helpfeel」(Helpfeel製)を採用している。

デジタル変革(DX)への取り組み内容
企業/組織名NTTデータMSE
業種サービス
地域横浜市(本社)
課題部門ごとに情報の管理手法が異なり、新人や中途入社社員などを中心に必要な情報を得るまでに時間がかかり、新人の戦力化を妨げ、業務全体の効率低下につながる懸念があった
解決の仕組み全社の情報を一元管理しAI技術で検索できるヘルプデスクを導入する
推進母体/体制NTTデータMSE、Helpfeel
活用しているデータ申請方法などを含む社内の業務遂行に必要な情報
採用している製品/サービス/技術AIナレッジ管理基盤「Helpfeel」(Helpfeel製)
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