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コクヨ、芝山工場に部材展開時のBOMとBOPを自動生成するシステムを導入

DIGITAL X 編集部
2025年10月3日

コクヨは、芝山工場(千葉県山武郡芝山町)においてBOM(Bill of Materials:部品表)とBOP(Bill of Process:工程表)を自動生成するシステムを導入した。熟練設計者の判断基準をルール化し生産性を高めることで、個別受注で生産している品種および部品点数の増加に対応する。システムを提供したエクサが2025年9月17日に発表した。

 コクヨが芝山工場(千葉県山武郡芝山町)に導入したのは、BOM(Bill of Materials:部品表)およびBOP(Bill of Process:工程表)を自動生成するシステム。熟練設計者が持つ部品展開時の判断基準をルールとして登録することで、個別受注で生産している品種の受注仕様に対し正確なBOM/BOPを生成する。受注生産品種や部品点数の増加への対応力を高めるのが目的だ。芝山工場の生産品種は、当初の3種類が20種類に増え、部品点数は数十万点に膨らんでいた。

 新システムでは、間仕切りの部品表生成から展開までに要する時間を最大で従来の10分の1に圧縮できているとする。仕様変更や新製品を投入する際は、現場の担当者が新たなルールを登録して対応する。プログラムの書き換えをIT部門に依頼することなく実行できるようにした。

 これまで部材展開では、1998年にフルスクラッチで開発した独自システムを運用してきた。だが部材展開にはプログラム改修が必要で柔軟性に欠けるうえ、システム仕様を理解していた開発担当者の退職によりブラックボックス化し、運用やメンテナンスが困難になっていた。

 同社 グローバルワークプレイス事業本部 ものづくり生産本部 芝山工場 企画グループ シニアアソシエイトの田村 哲 氏は「今回の成果をモデルケースに、工場内の別製品や他工場への展開も視野に、工場全体のシステムのブラックボックス化を解消することが最終目標だ」と話す。

 BOM/BOPの自動生成には「SPBOM Suite」(エクサ製)を採用した。「個別受注生産という特殊な環境で柔軟な部品表を生成できる点を評価した」(田村氏)という。

デジタル変革(DX)への取り組み内容
企業/組織名コクヨ
業種製造
地域千葉県山武郡芝山町(芝山工場)
課題個別受注生産で増加する品種や部品点数に対応し、部材展開にかかる時間を短縮して生産効率を高めたい。従来システムはブラックボックス化しており運用が困難になっていた
解決の仕組み設計者の判断基準をルール化しBOMとBOPを自動生成する。仕様変更や新製品投入時には現場の担当者がルールを追加できるようにする
推進母体/体制コクヨ、エクサ
活用しているデータ製品仕様や設計ルールに関する情報
採用している製品/サービス/技術BOM/BOP自動生成システム「SPBOM Suite」(エクサ製)
稼働時期--