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積水化学工業、工場設備の状態をリアルタイムに判定するAI利用のCBMシステムを導入

DIGITAL X 編集部
2025年10月6日

積水化学工業は、工場内の設備の状態をリアルタイムに判定するCBM(Condition Based Maintenance:状態基準保全)システムを導入した。予防保全により生産ロスの削減や、設備の突破的な故障を防止し、保全業務の効率を高めるのが狙いだ。システムを提供するアズビルが2025年9月16日に発表した。

 積水化学が導入したのは、工場設備の状態から故障につながる状態をリアタイムに判定するCBM(Condition Based Maintenance:状態基準保全)のための氏システム。設備の突発的な故障の発生を完全に防止するとともに保全コストの最小化を目指す。

 今回は、重要度の高い回転機器を中心にAI(人工知能)監視モデルを構築した。振動計などの機器管理用のデータに加え、生産ラインのセンサーデータ、PLC(Programmable Logic Controller:産業用コントローラー)やDCS(Distributed Control System:分散制御システム)などの制御システムが持つデータも利用し、予兆保全を全社規模で適用できるようにした。

 積水化学では、設備故障による生産ロスと機会損失の最小化および保全生産性の向上を目的に、保全技術力の向上や保全のスマート化を進めている。従来のTBM(Time Based Maintenance:時間基準保全)では予防できない設備の突発故障への対応や、保全担当者の世代交代によって生じている技量差の解消が課題になっていた。

 今後は、今回の導入効果を検証したうえで、複数の生産拠点への展開や、設備の劣化状態の可視化・余寿命予測といった予兆保全のさらなる高度化を図りたい考えだ。

 CBMシステムにはアズビルの「BiG EYES MM」を導入した。アズビルは、将来的には設備の寿命予測や保全計画の自動立案の機能を付加し、設備管理分野における人手不足や高齢化への対応などを可能にするという。

デジタル変革(DX)への取り組み内容
企業/組織名積水化学工業
業種製造
地域大阪市北区(本社)
課題TBM(時間基準保全)では予防できない設備の突発故障への対応や保全担当者の世代交代によって生じている技量差の解消を図りたい
解決の仕組み全社規模での予兆保全を可能とするCBM(状態基準保全)システムを導入する
推進母体/体制積水化学工業、アズビル
活用しているデータ振動計をはじめとする機器管理用のデータ、生産ラインのセンサーデータ、PLCやDCSなどの制御システムが持つデータなど
採用している製品/サービス/技術CBMシステム「BiG EYES MM」(アズビル製)
稼働時期--