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豊田自動織機、長草工場に暑熱環境の暑さ指数を一元管理するシステムを導入

DIGITAL X 編集部
2025年10月9日

豊田自動織機は、長草工場に工場内の暑熱環境における暑さ指数「WBGT(Wet Bulb Globe Temperature)」を監視し一元管理するシステムを導入した。特定の作業環境における熱中症防止策の実施が義務付けられたのを受け、熱中症リスクを早期に把握したい考え。導入を支援した菱洋エレクトロが2025年9月30日に発表した。

 豊田自動織機が長草工場に導入したのは、熱中症予防のための暑さ指数である「WBGT(Wet Bulb Globe Temperature)」を測定・監視するためのシステム(図1)。熱中症の発生リスクを早期に把握し対策を打てるようにする。併せて、蓄積したデータと、その日の計測値から作業スケジュールを調整したり休憩時間の設定に利用したりするほか、データの一元管理により全体の傾向や対策を確立し一貫して安全な作業環境を実現を期待する。

図1:豊田自動織機が導入した暑熱環境向けWBGTの測定・監視システムの概要

 2025年6月1日の労働安全衛生規則の改正により、WBGT値が28℃以上または気温31℃以上の環境下で連続して1時間以上または1日4時間を超えて作業する環境においては、熱中症防止策の実施が事業者に義務付けられた。新システムでは、対象環境に温湿度センサーを設置しWBGTを監視・計測する。データはクラウドに送信し、温度や湿度、WBGTを可視化する。

 自動車事業部 安全・総務部 ワーキングリーダーの平岩 耕司 氏は「近年は”地球沸騰化”とも表現される深刻な状況が続いている。当工場では、IoT(Internet of Things:モノのインターネット)技術を活用した製造現場の『暑熱環境の見える化』に向けた取り組みを通じ、従業員の熱中症リスクの早期把握および未然防止を強化し、安心して働ける快適な職場環境の実現を目指す」と話す。

 温湿度センサーには菱洋エレクトロ製の「LAS-603V2」を、クラウド環境には台湾kiwi technologyが提供する「kiwi Cloud サーバー」を、それぞれ採用した。導入を菱洋エレクトロが支援した。

 菱洋エレクトロによれば、屋外作業をはじめ、高温環境での作業が避けられない製造業や建設業などでは熱中症は深刻な問題であり、従業員の安全と企業活動を守るために対策を講じる必要がある。

デジタル変革(DX)への取り組み内容
企業/組織名豊田自動織機
業種製造
地域愛知県大府市(長草工場の所在地)
課題暑熱環境で作業する従業員の熱中症リスクの早期把握および未然防止を強化し、安心して働ける快適な職場環境を実現したい
解決の仕組み工場内のWBGT(Wet Bulb Globe Temperature)をリアルタイムで計測・可視化する
推進母体/体制豊田自動織機、菱洋エレクトロ
活用しているデータ温度、湿度、WBGT
採用している製品/サービス/技術温湿度センサー「LAS-603V2」(菱洋エレクトロ製)、WBGT監視サービス「kiwi Cloud サーバー」(台湾kiwi technology製)
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