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ヤマトグループのナカノ商会、輸配送計画システムを開発しトラック稼働率を50%以上に向上

DIGITAL X 編集部
2025年10月9日

ヤマトホールディングスグループのナカノ商会が輸配送計画システムを開発し、2025年10月1日に運用を開始した。トラックの稼働率が従来の約30%から50%以上に向上しているという。システムを共同開発したシマントが同日に発表した。

 ナカノ商会はヤマトホールディングスグループにあって広域輸配送や倉庫関連事業を手掛けている。輸配送計画を自動生成するシステム「Auto Dispatch」を開発し、2025年10月1日から運用を始めている(図1)。システムで作成した輸配送計画を元に物流事業者に発注することで、ドライバーの労働環境を守りながら、運行効率を高めるのが目的だ。システムによりトラックの稼働率が従来の約30%から50%以上に向上しているとする。

図1:ナカノ商会が運用を始めた輸配送計画システムの概要

 Auto Dispatchは、荷主の配送データと物流事業者の空車情報から輸配送案件に対し、配車効率が高まる最適な組み合わせを計算する。配車ロジックには、ベテランの配車担当者が持つノウハウを組み込んだ。

 システムは配車管理システムなどを開発・販売するシマントと共同で開発した。シマントが持つデータ処理技術により、一度に10万〜20万件のデータ処理に対応しているという。

 シマントによれば、物流業界では荷主と物流事業者をマッチングする輸配送基盤を利用する企業が増加している。しかし、輸配送案件はスポット案件や単発運行が一般的なため、復路は空荷になるなど運行効率の低さが収益低下を招いている。

デジタル変革(DX)への取り組み内容
企業/組織名ナカノ商会
業種物流
地域東京都江戸川区(本社)
課題輸配送効率を高めるための荷主と物流事業者のマッチングなどが進んでいるが、スポット案件や単発運行では、復路の運行効率が低く収益低下につながっている
解決の仕組みトラックの稼働効率が高くなる輸配送計画を自動で作成するシステムを開発する
推進母体/体制ナカノ商会、シマント
活用しているデータ荷主の配送データ、物流事業者の空車情報
採用している製品/サービス/技術大量データ処理技術(シマント製)
稼働時期2025年10月1日(運用開始時期)