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横浜銀行、システム開発の設計業務へ生成AI技術を利用する実証を開始

DIGITAL X 編集部
2025年10月10日

横浜銀行は、行内のシステム開発における設計業務に生成AI(人工知能)技術を使う実証実験を開始した。要件定義や設計段階の上流工程を対象に、内製しているプログラムの設計書やテストデータの作成に利用する。実証対象の生成AIサービスを提供するTrustが2025年9月29日に発表した。

 横浜銀行が開始したのは、行内システムの開発における設計業務に生成AI(人工知能)技術を使う実証実験(図1)。要件定義や設計といった上流工程に適用し、開発にかかる時間やコストを削減するのが目的だ。既存システムの改修に伴う工数負担が開発リードタイムの長期化につながっており、設計関連文書の作成における精度とスピードを高める。

図1:横浜銀行は行内システムの設計業務での生成AI技術の利用を実証する

 実証実験では、行内で内製しているプログラムの設計書やテストデータの作成といった業務を生成AI技術で自動化する。具体的には、COBOLやRPGなどのソースコード、データベース仕様書やマニュアルなどを生成AI技術で解析し、そこから設計書やテストデータ、テストケースを自動生成する。

 現在は外部委託している業務システム開発についても、同様の生成AI技術の適用も検討する。開発ベンダーとのやり取りにおける仕様の確認・修正の手間を削減し、開発コスト削減や期間の短縮に加え、システム開発プロセスの抜本的な改善も目指す。

 生成AIの仕組みは、金融機関向けシステム開発を手掛けるTrustが提供するシステム開発向け生成AIサービス「Trust TlanP」を採用した。

 横浜銀行は、2025年4月からの中期経営計画で「AI活用による業務効率化」や「データベースの有効活用」による生産性向上に取り組んでいる。今回の取り組みはその一環。今後も、生成AI技術やAIエージェントなどのデジタル技術を継続的に取り入れ、業務の高度化とサービス品質向上の両立を図りたい考えだ。

デジタル変革(DX)への取り組み内容
企業/組織名横浜銀行
業種金融・保険
地域横浜市(本店)
課題システムの開発・運用において内製している設計業務の精度と効率を高めたい
解決の仕組み既存のソースコードなどを解析し、設計書やテストデータを自動生成できるようにする
推進母体/体制横浜銀行、Trust
活用しているデータCOBOL/RPGのソースコード、データベース仕様書、マニュアル、設計書、テストデータなど
採用している製品/サービス/技術システム開発向け生成AIサービス「Trust TlanP」(Trust製)
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