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三菱化工機、プラントの設計図書を作成する生成AIを26年4月から運用へ
プラント建設の三菱化工機は、プラント設計図書を自動で作成する生成AI(人工知能)システムを開発し、2026年4月から部分的な運用を開始する。熟練技術者の知見を引き継ぐと同時に、設計図書の作成時間を数時間~数日にまで短縮するという。2025年10月15日に発表した。
プラントの設計・建設を手掛ける三菱化工機は、プラント設計図書を自動作成する生成AI(人工知能)システムの開発を進めている。熟練技術者の知見を取り込み、設計品質の均一化を図ると同時に若手技術者の育成につなげるのが目的だ。2026年4月から部分的な運用を開始する予定である。
同社が手掛ける化学プラントや製油所のような大型産業設備では、1つの工場を建設するために数百~数千種類の機器と数万本の配管を扱い、数百種類の設計図書を作成する必要がある。開発中のシステムでは、設計担当者による修正と最終確認のみで完了するレベルを目標に、設計図書の作成時間を従来の2~3週間から数時間から数日にまで短縮したい考え。
生成AIシステムは、顧客が提示した要求仕様を読み取り、数値条件や設計パラメーターを抽出したうえで、機器の設計仕様書や購入仕様書、設計用リストなどの設計図書を自動で作成する。
そのために設計業務の過程で蓄積される知見を継続的に学習しナレッジとして利用する。それを若手技術者が参照しながら設計することで、熟練者の経験に依存していた判断の標準化を進め設計品質の均一化を促す。
開発にあたっては、AIサービスを開発するEggAIの協力を受けながら、三菱化工機が持つエンジニアリングノウハウを組み合わせる。
執行役員 プラント事業本部長の中島 里樹 氏は「プラントエンジニアリングでは、基本設計から現地工事まで、つまり上流から下流への情報の整流化が重要になる。その流れを生成AI技術を使って正確にし、全く新しい設計自動化の仕組みを構築していきたい」とする。
三菱化工機によれば、プラントエンジニアリング業界では人材不足と技術継承が課題になっている。
| 企業/組織名 | 三菱化工機 |
| 業種 | 製造 |
| 地域 | 川崎市(本社) |
| 課題 | プラントエンジニアリング業界では人材不足と技術継承が課題になっており、熟練技術者に依存してきた設計図書の作成技能を継承し設計品質の均一化と若手育成を同時に実現したい |
| 解決の仕組み | 顧客の要求仕様をから設計条件を抽出し設計図書の自動作成をする生成システムを開発する |
| 推進母体/体制 | 三菱化工機、EggAI |
| 活用しているデータ | 顧客の要求仕様書および設計パラメーター |
| 採用している製品/サービス/技術 | 生成AI技術 |
| 稼働時期 | 2026年4月(運用開始予定) |