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日本車輌製造、設計・契約に関する文書やプログラムから必要な情報を得るための生成AI基盤を構築
日本車輌製造が、20年以上蓄積してきた設計関連文書や制御用コード、契約書などから必要な情報を得るための生成AI(人工知能)基盤を構築した。業務知見を共有し、熟練者の経験に依存しない業務遂行や設計業務の効率を高めるのが狙い。基盤のための生成AIサービスを提供するナレッジセンスが2025年10月7日に発表した。
日本車輌製造が建設機械本部に導入したのは、業務知見を参照・共有するための生成AI(人工知能)基盤。制御設計や契約書のチェックなどの業務において、同本部が20年以上蓄積してきた設計関連資料や制御用コード、トラブル対応記録などから、参照すべき情報を取得できるようにした。熟練技術者に依存していた判断の平準化を図り、業務の品質と速さを高めるのが目的だ。
制御設計や内製システム開発の分野では、既存コードから仕様意図を解析しプログラムのベースの作成までに利用する。担当者は設計の全体構造を理解するのに必要な時間を削減し、作業効率を高める。
契約書の1次チェックでは、リスク箇所の指摘や修正文案の作成を可能にした。確認のための時間を短縮すると同時に、契約リスクの見落とし防止などにつなげる。
生成AI基盤には、設計関連文書やトラブル対応記録などを学習させた。参照精度を高めるため、RAG(Retrieval Augmented Generation:検索拡張生成)技術を使った検索システムも構築し、網羅性や信頼性を高めている。
今後は、メールやチャット、会議記録など日常業務で生じる文書や対話履歴なども対象に加えていく。具体的には、メーラー「Outlook」(米Microsoft製)やコミュニケーションツール「Teams」(同)などとの連携を強化する。
生成AI基盤は、AIソフトウェア開発のナレッジセンスが提供する法人向け生成AIサービス「ChatSense」を使って構築している。LLM(Large Language Models:大規模言語モデル)には「ChatGPT」(米OpenAI製)を採用している。
企業/組織名 | 日本車輌製造 |
業種 | 製造 |
地域 | 名古屋市(本社) |
課題 | 熟練者に依存していた業務の判断や作業を平準化し、全社員が効率的に情報を活用できる環境を整備したい |
解決の仕組み | 設計ドキュメント、トラブル対応ログ、制御プログラムなどを学習させた生成AI基盤を構築し、制御設計やシステム開発、契約書チェックなどに利用する |
推進母体/体制 | 日本車輌製造、ナレッジセンス |
活用しているデータ | 設計ドキュメントやトラブル対応履歴、議事録など |
採用している製品/サービス/技術 | 法人向け生成AIサービス「ChatSense」(ナレッジセンス製)、LLM「ChatGPT」(米OpenAI製) |
稼働時期 | -- |