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ライオン、中計に掲げる「未来予測型経営」に向け全社データを統合するクラウド基盤を内製開発
ライオンは、中期経営計画に掲げる「データ基盤整備による未来予測型経営」の実現に向け、全社データを統合管理するクラウド基盤を内製で開発し稼働させた。ERP(Enterprise Resource Planning:企業資源計画)システムとの連携を軸に、販売、生産、物流、財務など業務システムのデータを集約する。市場環境に対して勘や経験に頼らず先手を打てる経営への転換を加速させる。2025年10月15日に発表した。
ライオンは、中期経営計画「Vision2030 2nd STAGE」において「データ基盤整備による未来予測型経営」を重要テーマに位置付けている。その実現に向けてこのほど、全社のデータを統合管理するデータ基盤を開発し稼働させた。経営層が全社データをリアルタイムで把握・分析できる環境を整えることで、市場環境の変化に対してデータに基づいて先手を打てる経営体制を確立するのが目的だ。
データ基盤では、事業部門や業務システムごとに分散していたデータをクラウド上で一元管理する。基幹業務データを扱うERP(Enterprise Resource Planning:企業資源計画)システムとの連携を軸に、販売、生産、物流、財務など業務システムのデータを集約する。経営層や担当部門は、必要なデータをダッシュボードや分析ツールで可視化し利用する。
データ基盤の企画から構築、運用までは社内の専門組織「クラウドCoE(Center of Excellence)」を中心に進めている。外部ベンダーに全面委託せず、自社で開発や運用を担うことで、技術的知見を蓄積し、必要な改修や今後の拡張にも柔軟に対応できるようにするためだ。内製化により、高いアジリティ(俊敏性)とコスト効率の高い運用を実践できるとしている。
今後は、AI(人工知能)技術や機械学習の応用を見据え、より精緻な需要予測やサプライチェーンの最適化に取り組む。データによる事業リスクの早期発見や新規事業機会の創出にもつなげたい考えだ。
データを統合・分析するためのクラウド環境には「Google Cloud」(米Google Cloud製)を利用している。連携するERPシステムは「SAP S/4HANA」(独SAP製)である。
| 企業/組織名 | ライオン |
| 業種 | 製造 |
| 地域 | 東京都墨田区(本社) |
| 課題 | 中期経営計画「Vision2030 2nd STAGE」に掲げる「データ基盤整備による未来予測型経営」の実現に向け、市場環境の変化に迅速かつ的確に対応できる経営体制を確立したい |
| 解決の仕組み | 全社のデータをクラウド上で統合・一元管理するデータ基盤を構築し、経営層や担当部門がデータをリアルタイムに可視化・分析できるようにする。データ基盤は内製で開発・運用することで、技術的知見を蓄積し、改修や拡張に柔軟に対応できるようにする |
| 推進母体/体制 | ライオン、Google Cloud |
| 活用しているデータ | ERPシステムが管理するデータ、販売、生産、物流、財務などの業務システムのデータ |
| 採用している製品/サービス/技術 | クラウドサービス「Google Cloud」(米Google Cloud製)、ERPシステム「SAP S/4HANA」(独SAP製) |
| 稼働時期 | -- |