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高機能樹脂の日本ゼオン、全社横断のスマートファクトリー化に向けIoT共通基盤を稼働

DIGITAL X 編集部
2025年10月31日

高機能樹脂や合成ゴムを製造する日本ゼオンは、全社横断でスマートファクトリー化を進めるためのIoT(Internet of Things:モノのインターネット)共通基盤を開発し稼働させた。データに基づく生産性の向上や業務改善を加速させるのが目的だ。2025年10月15日に発表した。

 高機能樹脂や合成ゴムのメーカーである日本ゼオンが開発・稼働させたのは、同社の製造拠点の生産データを全社横断で管理・活用するためのIoT(Internet of Things:モノのインターネット)共通基盤。測定機器や分析装置などからIoTデータを収集・管理し工場のスマート化を進め、データに基づく生産性の向上や業務改善を加速させるのが目的だ。

 高岡工場(富山県高岡市)ではIoT共通基盤を使い、設備監視システムを2025年5月から本番運用している。設備の稼働データをリアルタイムで収集し、異常の予兆を検知する。異常発生時の初動対応を早めたり、作業員が工場敷地内を巡回する点検業務の効率を高めたりが可能になったとする。

 他の複数の拠点でもIoT共通基盤を使った種々のシステムのPoC(Proof of Concept:概念実証)が進行中で、高い効果が確認できた取り組みを全国の製造拠点に展開していく方針だ。

 IoT共通基盤では、IoTデータを携帯電話の閉域ネットワーク経由で収集しクラウドに送信することで、データのセキュリティを高めている(図1)。同社は2020年からスマート工場化に取り組んできたが、プラント制御システムや周辺機器の外部ネットワークへのアクセスを遮断しており、操業データの活用が進めにくかったという。

図1:日本ゼオンが構築したIoT共通基盤のネットワーク構成図

 現在は、有線LANの敷設工事なしに、センサーや分析装置の設置・導入を現場判断で柔軟に決められるようになったとしている。

 IoT共通基盤の設計および構築はソラコムが支援し、通信とクラウド連携技術およびコンサルティングを提供した。

デジタル変革(DX)への取り組み内容
企業/組織名日本ゼオン
業種製造
地域東京都千代田区(本社)
課題プラント制御システムなどの外部ネットワークへの接続を遮断しており、全社横断的なスマート工場化が進まない
解決の仕組み全社で利用するIoT共通基盤を構築すると共に、データは携帯電話の閉域網を使ってクラウドに送信することで外部に接続せずに共有する
推進母体/体制日本ゼオン、ソラコム
活用しているデータ設備の稼働データ、センサーや分析装置などの操業データ
採用している製品/サービス/技術携帯電話通信による閉域ネットワーク
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