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ニチレイ・アイス、包装氷の生産・在庫・輸送を対象に計画立案システムを導入
ニチレイフーズグループのニチレイ・アイスは、包装氷事業における生産・在庫・輸送を対象にした計画立案システムを導入した。需要予測に基づいて各計画の最適化を図ることで、季節変動が大きい中での安定した供給体制を維持するのが目的だ。2025年10月15日に発表した。
ニチレイ・アイスは、ニチレイフーズグループで包装氷事業を手掛けている。このほど、生産・在庫・輸送の計画を自動立案するシステムを導入した(図1)。包装氷は季節性が高く夏季に需要が急増するため、供給バランスに合った計画を立案し安定供給体制を維持するのが目的だ。
計画立案システムは、生産能力や、原料・資材の在庫量、輸送ルート、配送コストなど40を超える制約条件を考慮しながら、約50品目ある包装氷の生産・出荷計画を作成する。多くの制約条件を考慮しながら最適な組み合わせを探索するために数理最適化技術を用いている。理論上、約200万通りの組み合わせの中から最適な計画を導出する。
需要変動に対応した予測や計画立案は人手では難しく、ニチレイ・アイスでは熟練作業者や一部の作業者の負担が大きかった。今回のシステム導入により、計画立案にかかる業務時間を約70%削減できたとしている。
システムは、日立製作所が提供する「計画系業務最適化サービス」を基盤に構築した。そこに、ニチレイ・アイスが現場で運用してきた経験知や判断基準をモデル化しアルゴリズムに組み込んでいる。
グループ中核会社のニチレイフーズでは2018年から、冷凍食品事業の国内外の工場で生産計画と要員計画を自動立案するシステムを開発・導入している。ニチレイ・アイスの取り組みはシステム利用拡大の一環だ。
ちなみにニチレイフーズの工場では、鶏肉加工において血合いや硬骨などを自動選別するシステムや、炒飯の焦げを取り除くAI(人工知能)ロボットを開発・導入してもいる。
| 企業/組織名 | ニチレイ・アイス |
| 業種 | 製造 |
| 地域 | 東京都中央区(本社) |
| 課題 | 夏季を中心に需要が急増する包装氷は変動幅が大きく、生産・在庫・配送のバランスを維持するのが難しい |
| 解決の仕組み | 理論上、約200万通りの組み合わせから最適な生産・輸送・在庫計画を数理最適化技術で導出する |
| 推進母体/体制 | ニチレイ・アイス、ニチレイフーズ、日立製作所 |
| 活用しているデータ | 約50品目品ある包装氷の生産能力や原料・資材の在庫量、輸送ルート、配送コストなど |
| 採用している製品/サービス/技術 | 「計画系業務最適化サービス」(日立製作所製) |
| 稼働時期 | -- |
