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衣料品チェーンのタカハシ、陳列状態を確認する店内巡回ロボを実証実験
衣料品チェーンのタカハシは、店頭での商品の陳列状態を確認するための巡回ロボットの実証実験を開始した。陳列棚の画像から陳列状態の乱れや欠品を検知する。店内の巡回業務を省力化しながら販売機会の損失を防ぐのが目的。2025年10月16日に発表した。
タカハシは、関東甲信エリアを中心に衣料品や生活雑貨などを扱う店舗を50以上展開している。このほど店頭の巡回業務に自律走行するロボットを使う実証実験を開始した(写真1)。商品の陳列状態を保ち、店頭業務の省力化と販売機会の損失を防ぐのが目的だ。実験は2025年10月から12月まで実施する。
実験では、巡回ロボが陳列棚を撮影。その画像をAI(人工知能)技術で分析し、本部が定めた陳列基準に基づいて、陳列の乱れや欠品を判定する。結果を店舗担当者に通知して補充を促し、商品が常に整った状態を維持する。
これまでは、従来は、エリアマネジャーや店長が定期的に巡回し陳列状態を確認しており、その判断にバラツキがあったという。加えて店舗の陳列状況をリアルタイムに把握できず、本部と店舗での情報連携が遅れ欠品対応が後手に回るケースも少なくない。多店舗化によりエリアマネジャーの負担が増え、販売効率や従業員の生産性向上を阻む要因になっていた。
検知精度を高めるために、自社の陳列基準や過去の棚画像データを学習させた。実験では、実店舗での陳列の乱れや欠品を捉えられるかどうかを検証し、有効性を確認する。その後は、販売機会や売り上げへの影響も定量的に分析し、新たな店舗運営モデルの実現に向けた課題を抽出したい考えだ。
巡回ロボットに搭載するセンシング技術はオムロンが提供した。データ分析にはオムロングループのJMDCが提供する分析手法を採用する。問題発見から原因分析、改善策の立案・検証・定着までのプロセスの効率を高める仕組みを提供したとする。
| 企業/組織名 | タカハシ |
| 業種 | 流通・小売り |
| 地域 | 相模原市(本社) |
| 課題 | 本部が定めた陳列基準を徹底したいが、エリアマネジャーや店長による店頭の巡回確認でが、その判断にバラツキがあるほか、状況をリアルタイムに本部と店舗とで共有できず欠品など販売機会を失うケースが少なくない |
| 解決の仕組み | 陳列状態を巡回ロボで撮影し、その画像から陳列の乱れや欠品を検知し、担当者へ通知する |
| 推進母体/体制 | タカハシ、オムロン、JMDC |
| 活用しているデータ | 陳列棚の画像、店舗ごとの陳列基準データ |
| 採用している製品/サービス/技術 | 巡回ロボットのためのセンシング技術(オムロン製) |
| 稼働時期 | 2025年10月~12月(実証期間) |
