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愛知県豊橋市、市民の食環境整備に向け食品の購買統計データと健診統計データの活用を実証実験

DIGITAL X 編集部
2025年11月20日

愛知県豊橋市は、市民の野菜を中心とした食環境を整備するために、食品の購買動向と健康状態の分析による行動変容の実証実験を実施する。同市では血圧が高い市民の割合が多く、実験結果を元に食環境整備に向けた施策に立案したい考え。実験に参加する東芝デジタルソリューションズらが2025年11月4日に発表した。

 愛知県豊橋市が実施するのは、食品の購買統計データと健康診断の統計データを組み合わせた分析結果が市民の野菜の購買行動に与える影響の実証実験。市民の野菜摂取に関する意識の変化を検証し、今後の食環境の整備に向けた施策に利用する。実験は2025年11月15日~12月14日に実施する。

 実験には、東芝デジタルソリューションズと東芝テック、カゴメ、スーパーのヤマナカとオークワが参加する(表1)。食品の購買統計データとして、東芝テックの電子レシートサービス「スマートレシート」のデータを利用する。これに豊橋市が保有する健康診断の統計データを連携し、年代や性別の別に野菜の購買量や塩分の多い食品の購買動向および健康状態を分析する。

表1:豊橋市の実証実験に参加する企業・団体と、それぞれの役割
企業・団体名役割
豊橋市食環境整備事業「とよはし健幸ごはん」の主催
東芝デジタルソリューションズ実証実験の企画・データ分析、「スマートレシート」データの提供
東芝テック健診統計データと購買統計データの分析、「スマートレシート」を活用した販促
カゴメ「ベジチェック」を通じた野菜摂取の啓発およびデータの提供
ヤマナカ実証実験場所の提供
オークワ実証実験場所の提供

 分析結果を元にもとに、ヤマナカとオークワが市内で展開する計4店舗で野菜摂取を応援するスマートレシートを使ったキャンペーンを実施する。キャンペーンにはモニター参加者を各店舗で20人ずつ募集する。

 キャンペーン実施店では、カゴメの推定野菜摂取量測定器「ベジチェック」を設置し、スマートレシートの会員バーコードを測定器にかざして野菜の摂取レベルを測定する。モニターには抽選でスマートレシートポイントを提供する。

 併せて店頭では、豊橋市保健所の管理栄養士が監修した冬野菜を使ったレシピを紹介する。モニターはスマートレシートを提示して対象野菜を購入するとスマートレシートポイントが抽選で当たる。

 豊橋市では、血糖値やHbAlc(ヘモグロビンAlc)、血圧が高い市民の割合が全国や県平均に比べて高い。その改善策として、市民の野菜摂取量の増加および塩分摂取量の減少を図りたい考えだ。

デジタル変革(DX)への取り組み内容
企業/組織名愛知県豊橋市
業種公共
地域愛知県豊橋市
課題血糖値やHbAlc(ヘモグロビンAlc)、血圧が高い市民の割合が全国や県平均に比べて高く、その改善が求められている
解決の仕組み食品の購買統計データと健康診断の統計データを連携し、野菜の購買量や塩分の多い食品の購買動向と健康状態を分析し食環境整備事業に活用する
推進母体/体制豊橋市、東芝テック、東芝デジタルソリューションズ、カゴメ、ヤマナカ、オークワ
活用しているデータ食品の購買統計データと健康診断の統計データ
採用している製品/サービス/技術電子レシートサービス「スマートレシート」(東芝テック製)、推定野菜摂取量測定器「ベジチェック」(カゴメ製)
稼働時期2025年11月15日~12月14日(実証実験の期間)