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フンドーキン醤油、調味料の生産・調達計画に連動する需要予測システムを導入
フンドーキン醤油は、調味料の生産や原料の調達のための計画システムと連動する需要予測システムを導入した。販売実績から需要を予測する。生産・調達の計画システムに自動で連動させることで、計画業務の省力化・平準化を図るのが目的だ。システムを提供したトライエッティングが2025年11月18日に発表した。
1861年創業のフンドーキン醤油は、4つの工場で味噌や醤油、調味料やドレッシングなどを製造している(写真1)。このほど、調味料の需要予測システムを導入した。販売実績から需要を算出し、生産計画や原料・資材の調達計画へ自動で連動させ、計画業務の省力化や平準化につなげるのが目的だ。
需要予測システムでは「いつ、何が、どれだけ売れたか」の販売実績から製品ごとの売れ行きについて数量と時期を予測する。加えて、数理最適化技術により予測モデルの計算条件や評価指標を調整し、生産計画への落とし込みに適した予測結果を得られるようにした。
対象品目を絞って精度を検証した結果、予測値が想定以上の精度を示したことから本格導入を決定した。既に一部の工場で、予測結果を実際の計画作成に反映させている。原料・資材の受発注や倉庫在庫の管理なども統合し、担当別に分かれていた業務を集約し、作業負荷の偏りを抑えられると期待する。
需要予測時には、ノーコード開発ツールを使って、データの前処理や学習方法、評価指標などを順に設定して処理を実行する。同ツールにより作業の流れが可視化できたという。
従来の需要予測業務では、少数の工場担当者の勘と経験に頼ってきた。だが、担当者の負担が大きかったほか、人事異動が多く担当者が変わると同じ手順を再現するのが難しかった。
今後は、需要予測システムを全工場に段階的に導入するとともに、予測結果を原材料の必要量の算出にも反映させるほか、生産ラインへの人員配置計画にも適用する。
需要予測システムは、名古屋大学発ベンチャーのトライエッティングが提供するAI(人工知能)予測システム「UMWELT(ウムベルト)」を採用した。全社展開に向けて、利用者数や利用回数が増えても追加費用が発生しない料金体系も評価したという。
| 企業/組織名 | フンドーキン醤油 |
| 業種 | 製造 |
| 地域 | 大分県臼杵市(本社) |
| 課題 | 需要予測業務が担当者の経験と勘に頼っており、特定の担当者への負荷が集中しているほか、人事異動時には手順の再現が難しい |
| 解決の仕組み | 需要予測システムを導入したうえで、生産計画や原料・資材の調達計画へ連動させ属人性を排除し、計画業務の省力化・平準化を図る |
| 推進母体/体制 | フンドーキン醤油、トライエッティング |
| 活用しているデータ | 数量・時期など製品ごとの販売実績データ |
| 採用している製品/サービス/技術 | AI予測システム「UMWELT」(トライエッティング製) |
| 稼働時期 | -- |
