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AGC、数理最適化基盤を開発し課題の発見から解決までの期間を半分以下に

DIGITAL X 編集部
2025年12月18日

AGCは、課題発見から解決までの期間を短縮するために、数理最適化プラットフォーム(基盤)を開発し2025年6月から稼働させている。これまでに課題解決までの時間を半分以下にしたほか、事業部の課題に対する提案を9件、創出できたという。2025年12月12日に発表した。

 AGCが2025年6月から稼働させているのは、サプライチェーンなどで最適化が求められる課題に対し、数理最適化技術を適用するためのプラットフォーム(図1)。これまでに課題の発見から解決策の提案までの期間を半分以下に短縮したほか、生産計画や倉庫配置、積載効率などの課題に対し、コスト削減や効率向上につながる解決策など9件を提案できているとする。

図1:AGCが開発した数理最適化基盤の概要

 数理最適化基盤では、従業員が課題を入力すると、生成AI(人工知能)技術を使って整理し、数理最適化の計算に適した形に変換。課題の特性に応じて適切なアルゴリズムを自動で選択して実行する。

 例えば、類似問題がある場合は既存アルゴリズムを転用。類似問題がなく問題構造が単純な場合は生成AI技術が新たにアルゴリズムを構築する。類似問題がなく問題構造が複雑な場合は専門人材が対応する。

 基盤は、数理最適化の専門人材が対応してきた取り組みを代替するもので、自社の業務システムやデータ基盤に合わせて開発した。数理最適化の専門知識を持たない従業員自らが最適化課題を発見し解決できるようにするとともに、専門人材は、より高難易度の課題に着手できるようにする。

 これまでも、複雑な課題を数式で表現し最適な答えを導き出す数理最適化技術を使い、最適化が求められる課題に対しデータに基づく合理的な意思決定や、その速度を高めてきた。だが業務に広く適用するには専門的な知識が必要なほか、多くの時間を要し、専門人材の不足が課題になっていた。

 今後は、サプライチェーン分野に加え、営業活動や製造などの分野に展開していく。

 AGCグループは中期経営計画「AGC plus-2026」において「価値創造DXの推進」を主要戦略の1つに掲げ、デジタル技術を活用した価値創造に取り組んでいる。数理最適化基盤の構築も、その一環。各部門の自律的なデジタル技術の活用を加速し、これまで以上に課題解決力の向上を図るとしている。

デジタル変革(DX)への取り組み内容
企業/組織名AGC
業種製造
地域東京都千代田区
課題数理最適化を業務に適用してきたが、専門人材が不足していた
解決の仕組み生成AI技術を組み合わせた数理最適化基盤を開発し、専門知識を持たない従業員も課題発見やその解決に利用できるようにする
推進母体/体制AGC
活用しているデータ自社の業務システムやデータ基盤上のデータ
採用している製品/サービス/技術生成AI技術、数理最適化技術
稼働時期2025年6月