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ゴム製品の大阪タケナカ、黒色ゴム製品の全数検査をAIソフトウェアで自動化
ゴム製品を製造する大阪タケナカは、黒色ゴムパッキンの全数検査にAI(人工知能)ソフトウェアを導入し自動化を図った。目視検査の負担軽減と不良品の流出リスクの低減を両立し品質保証体制を強化するのが目的だ。外観検査ソフトウェアを提供したHACARUSが2025年12月5日に発表した。
ゴム製品メーカーの大阪タケナカが導入したのは、黒色ゴムパッキンの外観検査のためのAI(人工知能)ソフトウェア。全数検査工程に適用し、目視検査の負担を軽減しながら不良品の出荷を防ぎ、品質保証レベルを維持・向上するのが目的である。
検査では、既存の画像検査装置で撮影した画像を利用する。良品の画像を学習したAIソフトウェアが、撮影した画像との微細な差異までを検出する。検査担当者が評価値をヒートマップなどで確認し出荷できるかどうかを確認する(図1)。
不良品の流出を防ぐため判定のしきい値を厳しく設定している。不良と判定された製品に対しては二次検査を実施する。検査現場ではモデルの再学習を続けながら、検査精度の調整を続けている。現場主導で検査条件を最適化することで日常的な製造変動を前提にした検査体制を構築したとしている。
これまでは、目視による全数検査の負担を軽減するためにルールべースの画像検査装置を利用してきた。しかしゴム製品は、製造条件の変動によって良品の見た目が変化するケースが避けられない。中でも黒色ゴム製品は、表面の微細な黒点や傷、焼け具合のバラツキが発生しやすく、温度や圧力で変化や金型の状態によっても見た目が変化するため、単純なしきい値の設定では良品/不良品を切り分ける調整が難しく、不良品の流出リスクを完全には排除できていなかった。
今後は、撮像工程を含めた検査装置の最適化を進めるとともに、検査工程全体を対象に総合的な検査装置の導入を検討する。焼け具合の変化で欠陥判定が難しい製品や形状が複雑な製品など対象製品も広げる。
外観検査ソフトウェアには「HACARUS Check」(HACARUS製)を採用している。既存の画像検査装置と組み合わせることで大規模な設備更新を不要にした。
| 企業/組織名 | 大阪タケナカ |
| 業種 | 製造 |
| 地域 | 大阪市(本社) |
| 課題 | ゴムの特性や金型の状態によって良品の見た目が変化するため、従来のルールベースの画像検査装置では不良品の流出リスクを排除できない |
| 解決の仕組み | AI外観検査ソフトウェアを導入し全数の自動検査体制を構築する |
| 推進母体/体制 | 大阪タケナカ、HACARUS |
| 活用しているデータ | 既設の画像検査装置で撮影した黒色ゴム製品の外観画像 |
| 採用している製品/サービス/技術 | 外観検査ソフトウェア「HACARUS Check」(HACARUS製) |
| 稼働時期 | -- |
