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東光電気工事、電気設備の設計支援システムを松尾研究所と開発し運用開始
2025年12月23日
東光電気工事は、電気設備の設計支援システムを松尾研究所と共同開発し運用を開始した。熟練技術者の経験に依存してきた電気設備の施工業務を対象に、暗黙知をAI(人工知能)技術を使って継承し、限られた人員で品質と安全を確保しながら建設需要に応えられられるようにするのが目的だ。2025年12月15日に発表した。
東光電気工事が松尾研究所と共同開発した「SOERU」は、社内で利用する設備設計支援システム(図1)。その最初の機能として「見積用設計図作成支援ツール」の運用を開始した。熟練技術者の経験が求められる電気設備の施工業務では、その担い手が不足しており、AI(人工知能)技術を使って業務の効率化や省力化、技術継承を図ることで、限られた人員でも品質と安全を確保しながら需要に応えられる体制を整備するのが目的だ。
SOERUではまず、設備設計図から必要な情報を図面認識技術により抽出する。抽出した情報を元に、法令準拠やビルごとの暗黙的なルールを加味して電気設備を自動で配置する。SOERUに対しては自然言語でやり取りできるチャットボットを介して支援する。設備を配置した根拠などの質疑応答書も生成する。
SOERUの研究開発は2023年8月に松尾研究所と共同で開始した。約5カ月をかけて現場にヒアリングし現場の業務を50の工程に分解し、定量評価により優先課題を選択。そこにデータサイエンスを組み合わせた。AI技術が「人に寄り添い、判断を支援する伴走者」(東光電気工事)になることを目指したという。
今後も松尾研究所と連携しながら、他領域へのAI技術の活用余地を検討・開発しながら、人材不足や技術継承といった構造的課題を抱える建設・設備業界の労働生産性向上と技術革新を進めるとしている。
| 企業/組織名 | 東光電気工事 |
| 業種 | 製造 |
| 地域 | 東京都千代田区(本社) |
| 課題 | 熟練技術者の経験が求められる電気設備の施工業務にあっては、働き方改革が求められる一方で担い手が不足している |
| 解決の仕組み | 熟練技術者の経験をAI技術で継承した電気設備の設計支援システムを開発する |
| 推進母体/体制 | 東光電気工事、松尾研究所 |
| 活用しているデータ | 設備設計図、各種法令、暗黙的なルールを含めたビルの情報、業務工程の情報 |
| 採用している製品/サービス/技術 | 図面認識AI(人工知能) |
| 稼働時期 | -- |
