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みずほ証券、Webサイトでの問い合わせにFAQの内容から最適解を返すAIチャットボットを導入

DIGITAL X 編集部
2026年1月15日

みずほ証券は、Webサイトの問い合わせページに対しFAQ(よくある質問と答)に記載の内容から最適な回答を返すAI(人工知能)チャットボットを2025年12月26日から稼働させている。生成AI技術によるハルシネーション(幻想)を回避し、より正確な回答を返せるようになったという。コンタクトセンターでの有人による応対数やシステムの運用工数も削減できたとしている。AIチャットボットを提供するモビルスが2026年1月6日に発表した。

 みずほ証券は2025年12月26日、同社Webサイトの問い合わせページにFAQ(よくある質問と答)に記載の内容から最適な回答を返すAI(人工知能)チャットボットを稼働させた。問い合わせ時の、あいまいな単語や、FAQの記載内容とは一致しない単語や長文に対しても、より正確な回答を返信できるようになったという。

 FAQの検索には、ベクトル検索技術を利用している。テキストや画像などを、その意味や文脈を捉えた数値に変換し、その数値の近さから関連情報を検索することで、FAQの内容から質問に近い回答を提示する。生成AI技術による作成ではないためハルシネーション(幻想)の発生を回避できる。

 これまでも問い合わせ対応にAIチャットボットを導入していた。だが機械学習による仕組みだったため、問い合わせ時の単語がFAQの登録単語と一致しない場合は回答の提示が難しかった。また生成AI技術を利用するには、正確な情報を提示できる仕組みが不可欠だった。

 ベクトル検索技術を使ったAIチャットボットの導入に向けては、2025年6月から1カ月間、テスト運用を実施した。結果、FAQから正確に回答を提示できることから正式導入を決めたという。

 併せて、コンタクトセンターの業務効率を高められることも確認した。顧客による自己解決率が高まることで、オペレーターの応対数が減らせ、システム運用でもメンテナンス対応や工数を削減できるためだ。チャットボットの回答が不十分でオペレーターが対応することは、顧客の手間が増えると同時に、コンタクトセンターの業務負荷や応対コストの増加につながっていた。

 今後は、問い合わせ対応の多くをチャットボットに任せ、業務効率を高めていく。創出した時間と人手で、より高度な問い合わせ対応を展開すると同時に、顧客とオペレーター双方の満足度向上につなげたい考えだ。

 みずほ証券のダイレクトチャネル事業部の担当者は「新しいAIチャットボットにより、多くの問い合わせにスムーズに対応し、顧客はストレスなく自己解決できるようになると期待している。有人対応が必要な顧客につながりやすい窓口を整え、オペレーターが個々の顧客に向き合える時間を確保し、より丁寧で細やかなサービスの提供につなげていく」とコメントする。

 みずほ証券では、コンタクトセンターでの電話対応に加え、メールや有人チャット、ボイスボット、チャットボットを運用し、月間15万件ほどの問い合わせに対応している。中でも、チャットボットは24時間365日の自動応答ができる仕組みとして利用している。

 ベクトル検索技術を使うチャットボットには「MOBI BOT AI Vector Search」(モビルス製)を採用した。利用企業は、既存のFAQデータを移行すれば同義語や表記のゆれに対応でき、追加学習などのメンテナンス工程を削減できるとしている。

 モビルスによれば、金融機関のコンタクトセンターでは、複雑な金融商品の説明や厳格な法規制への対応が求められ、オペレーターには高度な金融知識と高い応対品質が求められる。一方で、採用難や離職率の高さ、人材育成の負担などが課題になっており、顧客の利便性や満足度に加え、従業員の満足度を高める必要がある。

デジタル変革(DX)への取り組み内容
企業/組織名みずほ証券
業種金融・保険
地域東京都千代田区(本社)
課題チャットボットによる24時間365日の顧客対応を進めたいが、機械学習では、あいまいな単語や文章では、FAQから適切な回答を検索できない。回答精度を高めるために生成AI技術を利用したいが、誤った回答(ハルシネーション)を出力する危険性がある
解決の仕組みベクトル検索技術によりFAQの内容を検索することで、あいまいな単語や文章による問い合わせにも、FAQの内容から正確な回答を返せるようにする
推進母体/体制みずほ証券、モビルス
活用しているデータFAQのデータ
採用している製品/サービス/技術ベクトル検索型チャットボット「MOBI BOT AI Vector Search」(モビルス製)
稼働時期2025年12月26日(本番稼働時期)