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シンニチ工業、3Dスキャンデータに基づく製品検査システムをスタートアップと共同で開発

DIGITAL X 編集部
2026年1月16日

金属パイプ・メーカーのシンニチ工業は、製品検査に3D(3次元)スキャンデータを利用するシステムを開発する。AI(人工知能)システム開発のスタートアップであるキャリアサバイバルと共同で開発・実証プロジェクトを始動した。3Dスキャンデータを利用することで、センサー群を多用せず低コストでの導入・運用を目指す。キャリアサバイバルが2026年1月13日に発表した。

 大径薄肉パイプを製造・販売するシンニチ工業が開発するのは、3D(3次元)スキャンデータを使って製品を検査するためのAI(人工知能)システム。基準品(マスター)の3Dデータと製造した製品の3Dスキャンデータを照合し、形状の差異を検出することで多数のセンサーを設置することなく製品の異常を検知する。

 また、検査データを蓄積し形状差異の推移を時系列で分析することで「なぜ、その不具合が起きたのか」という原因を推定するためのレポートを生成する。加えて、生産設備のログデータや日報データなども統合して解析することで、現場の状況を加味した異常・原因の分析により属人化を排除し、歩留まりの改善や原価率の低減につなげたい考えだ。

 シンニチ工業の製品検査は現状、熟練工が触診により形状の異常を察知し、経験則により不具合原因を特定・解決している。開発するシステムでは、熟練工が指先で感じ取っていた“違和感”を3Dスキャンデータにより客観的な数値基準に置き換えることで、誰でもが異常検知や原因分析ができるようにする。

 新システムは、AIシステム開発に取り組むスタートアップのキャリアサバイバルと共同で開発・検証する。シンニチ工業はこれまでも、シード期/アーリー期のスタートアップや大学などと自社の製造現場を“実験場”に位置付けた共創に取り組んできたという。

 同社 製造部長の鏡堂 達也 氏は「自社の製造現場の課題を解決するには、外部の先端技術を取り入れるだけでなく、共に新たな挑戦へと踏み出せる“仲間”の存在が不可欠だ。今回の共創プロジェクトを通じて、自社の生産性を高めると同時に、中小製造業界全体が直面しているDX(デジタルトランスフォーメーション)化という大きな課題に対し、その解決の糸口になるような成功事例を創出したい。こうした共創活動に共感する仲間を募りながら、共創が中小製造業の諸課題に対する新しい挑戦の形として根付き発展していければと願う」とコメントしている。

 一方のキャリアサバイバルは、シンニチ工業との共創を通して異常分析のためのAIモデルを確立し、同様の課題を持つ企業に提供したい考えだ。

デジタル変革(DX)への取り組み内容
企業/組織名シンニチ工業
業種製造
地域愛知県豊川市(本社)
課題製品検査が属人化しているが、大量のセンサーを使った異常検知システムは導入・運用コストが高くなる
解決の仕組み製品の3D(3次元)スキャンデータを使って正常品との差異をAI技術を使って分析する。設備ログや日報などを組み合わせて分析することで、現場の状況に即した原因特定・解決を可能にする
推進母体/体制シンニチ工業、キャリアサバイバル
活用しているデータ製品と基準品(マスター)の3Dスキャンデータ、設備のログデータや日報データなど
採用している製品/サービス/技術--
稼働時期--