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神明ホールディングス、青果物卸売事業における市場での分荷業務をAIで自動化

DIGITAL X 編集部
2026年1月23日

神明ホールディングスは、グループ内の青果卸売会社を対象に青果物卸売市場での分荷業務をAI(人工知能)技術を使って自動化する。これまで東京シティ青果で実証実験に取り組んでいた。分荷に要する作業時間の削減と属人的な業務手法から脱却するのが目的だ。自動化のためのサービスを提供するNTT AI-CIXが2026年1月8日に発表した。

 神明ホールディングスには、米穀類や青果など食材の卸売り事業に携わる複数のグループ企業がある。このほど、青果物卸売市場における分荷作業をAI(人工知能)技術を使って自動化を図ることを決め、2026年から各社に導入していく。電話やFAX、手書きなどによる作業と属人的な取り組みを解消し、長時間労働や作業ミスをなくしながら技能を継承し、生産性や品質を高めるのが目的だ。

 導入に向けてはこれまで、グループの東京シティ青果において実証実験を実施してきた(図1)。営業担当者が持っている注文者の要望や品目の特性などの情報・ノウハウをAIモデルに学習させ、それらを考慮した分荷案を自動生成させた。

図1:東京シティ青果が実証実験した分荷作業の自動化の仕組み

 実験の結果、ほとんどの品目において自動生成した分荷案が、営業担当者による分荷結果に対し9割超の精度を持つことが確認できた。新しい品目を扱ったり、産地をリレーする必要があったりしても、簡単な設定と履歴学習によって早期に高い精度を実現できたとしている。

 これにより、毎日ゼロから分荷案を作成する必要がなくなり、分荷作業時間を50%以上削減できるとする(図2)。暗黙知だった分荷方法の継承が容易になるほか、担当者の急な休みや出張時にも他のスタッフがサポートできるなど、属人化をなくし組織として取り組めるようにもなると期待する。

図2:分荷業務の自動化による効果

 神明HDの藤尾 益雄 社長は「AI技術を活用した分荷業務の自動化は、作業負荷の軽減だけでなく、需給情報を活用したサプライチェーン全体の最適化に寄与すると革新している。今後も新しいテクノロジーを積極的に取り入れ、持続可能な農産物流通の実現に向けて挑戦していく」としている。

 自動化の仕組みはNTT AI-CIXが開発した。神明HDはNTTと神明HDは農産物の物流を対象にしたデジタル化の実証実験を進めおり、分荷業務の自動化は、その成果の第1弾になる。今後は、デジタル空間で農産物の需給を調整する仮想市場に実現に向けた取り組みを進める計画だ。

デジタル変革(DX)への取り組み内容
企業/組織名神明ホールディングス
業種流通・小売り
地域神戸市(本社)
課題青果物卸売市場における分荷業務は、電話やFAXなどアナログな手法が多いほか、属人化が進んでおり、長時間労働や作業ミスが発生するほか、技能継承が難しい
解決の仕組み営業担当者のノウハウを学習したAIシステムにより分荷業務を自動化する
推進母体/体制神明ホールディングス、NTT AI-CIX
活用しているデータ営業担当者がもつ注文者の要望や品目の特性といった情報・ノウハウ
採用している製品/サービス/技術 「分荷自動化サービス」(NTT AI-CIX製)
稼働時期 2026年(グループ企業への導入時期)