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トライアルカンパニー、棚割と連動し納品・補充効率を高める自動発注システムを264店舗に導入
トライアルカンパニーはAI(人工知能)技術を使った自動発注システムを大型店「スーパーセンター」を中心とする264店舗に導入した。棚割情報と連動し、納品配送や在庫量、補充作業が最小になるように発注量を決める。過剰在庫の約30%と店舗当たり月180人時相当の業務量の削減を見込む。2026年2月17日に発表した。
トライアルカンパニーはこのほど、AI(人工知能)技術を使った自動発注システム「CIX-自動発注」を大型店「スーパーセンター」の全店と都心部に出店する「smart」の一部店舗の計264店舗に導入した。店舗ごとにバラツキのあった発注業務を標準化し、作業負荷の低減と在庫の最適化を図る。店舗当たり月180人時相当の業務量と過剰在庫の約30%の削減を見込んでいる。
CIX-自動発注が対象にするのは、グロサリーや日配品、生活消耗品など約2万8000のSKU(Stock Keeping Unit:在庫管理の最小単位)。一部店舗での実証を踏まえ2025年9月から順次導入を進めていた。実証では、店舗スタッフの補充業務を約10%軽減すると同時に在庫を20%削減できたという。
トライアルではこれまで、需要予測に基づき該当日の発注量を決定していた。これをCIX-自動発注では、棚割情報と売り場の状態から棚に収まる商品数量を算出したうえで、発注によって発生する補充作業と在庫、配送のコストが最小になるシナリオを作成し、そこから発注するSKUと数量、および発注タイミングを決める(図1)。これにより、納品回数や補充作業、バックヤードの在庫などの最適化が図れるとする。
具体的には、複数のSKUの発注を束ね納品回数を最適化する。従来のSKUごとの個別最適化では、納品日や納品時間帯が分散し、検品や仕分けなどの受け入れ作業が断続的に発生し業務効率が悪かった。加えて、棚の容量を上限に発注量を制御することで、過剰発注による棚上げ作業の増大やバックヤード在庫の膨張を防ぐ。
トライアルカンパニー 代表取締役社長の石橋 亮太 氏はCIX-自動発注の導入について次のようにコメントしている。
「我々が掲げるビジョン『テクノロジーと、人の経験知で、世界のリアルコマースを変える。』を具現化する上で、今回の取り組みは極めて重要なマイルストーンになる。新システムの本質的な価値は、数値以上に、人とシステムの役割分担の再定義にある。現場から『発注や判断に迷う』という“悩むムダ”を徹底的に排除することで、顧客が『買いやすい』そして『買いたい』と思える売場づくりと売場の維持に、人が真に集中できる環境を整えていく」
CIX-自動発注は、小売業向けAIサービスを開発するRetail-CIXが開発した。同社は、トライアルグループでAIサービスの開発を手掛けるRetail-AIと、製造・流通業向けAI基盤などを開発するNTT AI-CIXの合弁会社。それぞれが持つ流通・小売り向けシステムの開発ノウハウと、AIおよびデジタルツインの技術を組み合わせたという。
トライアルによると、少子高齢化による労働人口の減少や小売業界における人材確保の難しさが増す中、属人化の解消と店舗オペレーションの効率化が重要な経営課題になっている。特に、発注業務は店舗スタッフの経験やスキルに依存する部分が大きく、店舗間で発注精度に差が生じやすい。
| 企業/組織名 | トライアルカンパニー |
| 業種 | 流通・小売り |
| 地域 | 福岡市(本社) |
| 課題 | 店舗ごとにバラツキのある発注業務を標準化し、過剰在庫と欠品を抑えながら、補充や受け入れを含む店舗オペレーション全体のコストを削減したい |
| 解決の仕組み | 棚に収まる商品数量を上限に、発注によって発生する補充作業と在庫、配送のコストが最小になるシナリオを作成し、そこから発注するSKUと数量、および発注タイミングをAI技術を使って決める自動発注システムを導入する |
| 推進母体/体制 | トライアルカンパニー、Retail-CIX、Retail-AI、NTT AI-CIX |
| 活用しているデータ | 販売実績データ、在庫データ、棚割り情報、リードタイムなど |
| 採用している製品/サービス/技術 | 自動発注システム「CIX-自動発注」(Retail-CIX製) |
| 稼働時期 | 2026年2月17日(264店舗への導入完了時期) |
