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三井化学、研究開発における文献調査のためのAIエージェントを開発

DIGITAL X 編集部
2026年3月19日

三井化学は、研究開発における文献調査のための生成AI(人工知能)エージェントを開発した。化学文献に記載された化学構造式やテキスト情報から化合物に関する情報を抽出し、研究者の文献調査の効率を高める。2026年度からの本格運用を目指す。2026年3月4日に発表した。

 三井化学が開発したのは、化学文献から化合物に関する情報を抽出するための生成AI(人工知能)エージェント(図1)。化学構造式や本文から、化合物名の対応付けや関連情報を抽出し、文献調査にかかる時間の短縮を図る。2025年度の初期検証では、調査時間を80%以上削減でき、文献調査を1カ月ほどから1日程度に短縮できると期待する。2026年度からの本格運用を目指す。

図1:化学構造式から化合物に関する情報を抽出するAIエージェントの概要

 生成AIエージェントでは、文献中に画像として記載されている化学構造式と、本文とを同時に処理する。構造式の特徴を読み取り該当する化合物名を特定するとともに、文献記載の用途や物性、製造方法、実験条件といった関連情報を取得する。

 加えて、外部の化学データベースやWeb検索情報を参照対象として組み込み、文献単体では不足する情報を補完する。結果は、研究者の利用シーンに応じたレポート形式に整理し、後続の分析や検討に直接利用できるようにする。

 三井化学によれば、化学分野の研究開発では、特許文献や学術論文から化合物の情報を調査する作業が不可欠だ。特に高分子や有機化合物のように複雑な構造を持つものは、構造式だけからは化合物名の特定が難しく、研究者は大量の文献や論文を読み込みながら対応関係を確認している。

デジタル変革(DX)への取り組み内容
企業/組織名三井化学
業種製造
地域東京都中央区(本社)
課題高分子や有機化合物に関する文献調査において、構造式と化合物名の対応付けや関連情報の抽出には時間と労力がかかる
解決の仕組み化学文献中の画像と本文を並行して解析するとともに、外部の化学データベースやWeb情報も参照しながら情報を補完できる生成AIエージェントを開発する
推進母体/体制三井化学
活用しているデータ学術論文、特許文献、研究報告書などに含まれる化学構造式の画像と本文、外部の化学データベース、Web検索情報
採用している製品/サービス/技術生成AIエージェント
稼働時期2025年度(初期の検証実施時期)