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ダイキン工業、図面・図表を“AI Ready Data”に変えるAIシステムを本格運用
ダイキン工業は、図面や図表などの非構造化データを構造化データに変換するAI(人工知能)システムの本格運用を開始した。技術文書をAI技術による処理が容易な“AI Ready Data”に変換することで、設計・製造業務におけるデータ活用度を高めるのが目的だ。変換システムを提供したOuterportが2026年3月5日に発表した。
ダイキン工業が本格運用を開始したのは、図面や図表などの非構造化データをJSON(JavaScript Object Notation)形式などの構造化データに変換するAI(人工知能)システム。開発・設計に関する技術情報をAI技術を使った処理容易なデータ形式で整備し、データ活用の高度化を図るのが目的だ。
ダイキンはこれまで、図面や図表を活用するためのトライアルを重ねてきた。同社テクノロジーイノベーションセンター 技師長の比戸 将平 氏は「過去の技術文書に含まれる非構造化データの活用は長年の課題だった。従来の手法では実用精度の確保が難しかった」と話す。
新システムでは、紙やPDF、画像として保存してきた技術文書を、コンピュータビジョン技術とLLM(Large Language Models:大規模言語モデル)を組み合わせて解析。グラフや図表はPNG/PDF/JPGといった形式に変換した上で、画像内のグラフ形状や表構造をAI技術で認識し、抽出した数値情報をCSVやExcel形式に変換する。
CAD(コンピューターによる設計)画面や配管計装図(P&ID:Piping & Instrumentation Diagram)、電気回路図などの設計データにも適用し、ポンプなど機器の属性情報や、配管やバルブの接続関係を抽出し、設計情報の再利用性を高める。
変換システムは、エンジニアリング領域のAI開発を手掛けるOuterportが提供する図面・図表構造化システムを採用した。「従来のアプローチと比べデータ変換精度が高いことと、現場のニーズに合わせたカスタマイズ性やアジャイル(機敏)な開発体制を評価した」(比戸氏)とする。
Outerportによれば、生成AI技術やAIエージェントの活用が進む中、開発や製造のエンジニアリング領域では、過去の設計資産やノウハウの多くが紙やPDFの図面や図表として保存されており、活用が進みにくい。
| 企業/組織名 | ダイキン工業 |
| 業種 | 製造 |
| 地域 | 大阪市(本社) |
| 課題 | 設計・製造に関する技術文書の多くが紙やPDFとして保管されており、AI技術による再利用が難しい |
| 解決の仕組み | 技術文書をAI技術で解析し、JSON形式などの構造化データに変換し、AI技術での利用が容易なデータとして整備する |
| 推進母体/体制 | ダイキン工業、Outerport |
| 活用しているデータ | 技術文書の図面・図表、CADデータ、配管計装図(P&ID)、電気回路図などの非構造化データ |
| 採用している製品/サービス/技術 | 図面・図表構造化システム(Outerport製)、コンピュータービジョン技術、LLM(大規模言語モデル)など |
| 稼働時期 | -- |