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栃木県、県内に分散する行政データを統合するデータ連携基盤を稼働

ANDG CO., LTD.
2026年3月27日

栃木県は、県内市町に分散する行政データを統合するデータ連携基盤の本格運用を2026年3月10日に開始した。分野横断でデータを活用し、防災や地域活性化などの施策を含め、広域連携を前提とした行政サービスの再設計を進めたい考えだ。基盤構築を支援した電通総研が同日に発表した。

 栃木県は2026年3月10日、県および市町に分散する行政データを統合するためのデータ連携基盤の本格運用を開始した。人口動態や防災、インフラ、空き家といった複数分野のデータを横断的に扱うことで、県全域での広域連携を前提にした行政サービスの設計や意思決定の迅速化を図る。

 データ連携基盤では、分野や自治体ごとに分断されていたデータを統合管理する。対象データとしては、防災情報や地理空間情報、人口統計、予算などの行政データを中心にする。これら情報を統合しダッシュボードで可視化することで、県勢の把握や政策判断に活用する。データは標準化した形式で取り込み、API(Application Programming Interface)を通じて外部システムに提供する。

 オープンデータも活用する。人口動態や予算など10種類のオープンデータから県勢情報を確認できるダッシュボードも構築する。データの登録を起点にホームページなどへの公開処理までを自動化している。情報提供の速度を高めながら、職員の作業負荷の軽減を図った。

 データ連携基盤の応用領域として、仮想空間上に県内の地理情報を再現する次世代GIS(Geographic Information System:地理情報システム)を構築する。防災データや空き家情報を統合・可視化し、災害対応の高度化や移住の促進、空き家対策に活用する。

 各種データを利用するアプリケーションの開発者向けポータルサイトでも用意する。データ連携のためのAPI仕様を「栃木県データ連携基盤APIカタログサイト」として公開し、県や市町の既存システムに加え、民間企業との連携や新規サービスの開発を期待する。認証には「OAuth2.0」などの標準技術を採用し、サービス間連携での実装負担を抑えたとする。

 各市町には共同アカウントの発行のほか専用領域の設定を可能にした。職員数や接続システム数に制約を設けず、県全域での柔軟な展開を目指す。そのために県内の25の市町とは、ワークショップや協議会の開催を通じて分野横断のユースケース創出を進め、実運用レベルでのサービス展開につなげる。

 セキュリティを確保するために、クラウドサービスに特化した情報セキュリティ規格「ISO/IEC 27017:2015」に準拠し、24時間365日の監視体制を敷く。サービス稼働率は99.7%を目標にし、公共基盤としての安定運用を重視する。

 データ連携基盤には電通総研製の「CIVILIOS(シビリオス)」を採用した。内閣府が定める都市間データ連携のための設計指針「スマートシティリファレンスアーキテクチャ」に準拠している。電通総研は基盤の構想段階から参画し、共同利用における費用負担の整理や中期的な運用計画、ロードマップ策定を支援した。

 栃木県は2025年2月に「栃木県スマートシティ構想」を策定したほか、県内で生成・蓄積されるデータを効果的に活用するための「栃木県データ連携基盤共同利用ビジョン」を別に定めている。今回のデータ連携基盤は、その中核をなす。

デジタル変革(DX)への取り組み内容
企業/組織名栃木県
業種公共
地域栃木県
課題県および市町ごとに分散した行政データを分野横断で活用し、防災対応や地域施策の高度化、迅速な意思決定を図りたい
解決の仕組み行政データを標準化して統合管理するデータ連携基盤を整備し、既存システムや民間サービスとの連携を図りながら、分野横断でデータを活用した新規サービスを創出する
推進母体/体制栃木県、電通総研
活用しているデータ防災情報、人口統計、予算などの行政データ、オープンデータ
採用している製品/サービス/技術データ連携基盤「CIVILIOS」(電通総研製)
稼働時期2026年3月10日(本番運用開始時期)