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スーパーのハローズ、需要予測による発注で物流効率を高める仕組みを実証
広島県福山市を拠点にする食品スーパーのハローズは、需要予測データを卸売業と共有し、メーカーへの発注をコントロールすることで物流効率を高める仕組みの実証実験を実施した。配送トラックの積載率や台数を改善できたとする。データ共有の仕組みを提供するシノプスが2026年3月26日に発表した。
ハローズは、中四国・近畿の7県に店舗展開する食品メーカー。2015年から需要予測に基づく自動発注を導入し、現在は取り扱う商品全体の約85%に適用している。その需要予測データを卸売業者と共有し、メーカーへの発注量をコントロールすることで物流効率を高める仕組みの実証実験を2025年11月14日から11月30日にかけて実施した(図1)。トラックドライバー不足などにより“モノが届かない時代”を前にバリューチェーン全体の効率を高めるのが目的だ。
実験では、店舗の需要予測結果を卸売業者の外林と共有。外林は、同結果と店舗での特売計画、配送センターの在庫を元に、大手菓子メーカーへの発注量とタイミングを、店頭の欠品率に影響を与えない範囲で物流効率が高まるようにコントロールし、納品曜日を削減し、配送車両も集約した。
結果、配送面では、トラック台数は27台から21台へと22%削減でき、平均積載率は55%から79%へと24%向上したとする。納品回数の削減により2週間当たりの総荷待ち・荷役時間を19%削減できたという。
物流センターでは、納品曜日の削減によりSKU(Stock Keeping Unit:在庫の最小管理単位)当たりの人時を約10%、在庫日数を約0.17日、それぞれ削減できた。店舗では、欠品率が0.74%から0.44%に約41%改善し、自動発注の採用率が19%向上したとしている。
ハローズの上席執行役員 業務システム部長の橋元 克浩 氏は今回の実証について「需要を起点に流通や販売などの全体プロセスを改善するチャレンジになった。結果、店頭欠品率は抑えられ、物流センターの在庫やトラックの積載率が改善した。今後は多くの取引先に波及させ、製配販の効率改善に寄与したい」と語る。
外林の担当者は「今回、小売店舗の需要予測に基づいく発注勧告を受け取ることは非常に有用だ。結果、メーカーの物流効率を考慮しながらセンター欠品を最小限に抑える安定的な運用が実現できる」とコメントしている。
需要予測データの共有には、シノプスと伊藤忠商事が提供する食品バリューチェーン最適化基盤「DeCM-PF」を採用。ほかに自動発注サービス「sinops-R」(シノプス製)と特売リードタイム長期化サービスに「DeCM-DM」(同)、補充発注勧告サービス「DeCM-W」(同)を利用している。
シノプスとしては今後、今回実証したモデルを他の小売業への展開を目指す。需要予測に基づくセンターの人員割当・納品予約の最適化なども検討する。
| 企業/組織名 | ハローズ |
| 業種 | 流通・小売り |
| 地域 | 広島県福山市(本社)、岡山県都窪郡早島町(早島物流センター) |
| 課題 | トラックドライバー不足が深刻化し物流問題が課題になる中で、持続可能な定調達を実現したい |
| 解決の仕組み | 店舗の需要予測データを卸売業と共有し、欠品にならない範囲でメーカーへの発注量をコントロールし、バリューチェーン全体の物流効率を高める |
| 推進母体/体制 | ハローズ、シノプス、伊藤忠商事、外林、大手菓子メーカー |
| 活用しているデータ | 店舗における需要予測結果、特売計画、センター在庫の情報など |
| 採用している製品/サービス/技術 | 食品バリューチェーン最適化基盤「DeCM-PF」(シノプスと伊藤忠商事製)、自動発注サービス「sinops-R」(シノプス製)、特売リードタイム長期化サービス「DeCM-DM」(同)、補充発注勧告サービス「DeCM-W」(同) |
| 稼働時期 | 2025年11月14日から11月30日(実証実験の実施時期) |
