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オーム電機、製品の環境リスクを部品単位で判定するためのPLMシステムを稼働

DIGITAL X 編集部
2026年4月9日

電気用品メーカーのオーム電機は、製品に含まれる化学物質情報を一元管理するPLM(Product Lifecycle Management:製品ライフサイクル管理)システムの稼働を開始した。設計・生産データと連携した環境BOM(Bill of Materials:部品表)を生成し、製品を構成する部品ごとに含有化学物質の規制適合を評価する。PLMシステムを提供したNECネクサソリューションズが2026年4月6日に発表した。

 オーム電機は、配線パーツや熱対策機器などを製造・販売している。このほど、製品に含まれる化学物質情報を一元管理するためのPLM(Product Lifecycle Management:製品ライフサイクル管理)システムを稼働した(図1)。製品を構成する部品単位で環境規制への適合性を判定し、その結果を製品全体の評価に反映することで、規制対応を見据えた製品開発とトレーサビリティ(追跡可能性)の確保につなげるのが目的だ。

図1:PLMシステムにおけるBOM(部品表)の連携と、生成した環境BOMによる含有化学物質の判定プロセス

 PLMでは、設計段階で作成する設計BOMと、生産工程で用いる生産BOMを統合する。これらのBOMに規制物質情報データベースを連携することで、環境情報を付加した環境BOMを生成する。

 生成した環境BOMを用いて、製品を構成する部品ごとに適合・不適合を評価し、どの部品が規制に抵触しているのかなどを特定する。任意報告物質の管理や、鉱物資源の精錬業者までをさかのぼる紛争鉱物調査(CMRT:Conflict Minerals Reporting Template)にも対応する。

 判定結果は管理画面上で確認するほか、他の業務システムとのマスタ連携や部門間での共有をできるようにした。化学物質名をキーワードにした部品検索や、製品構成を横断した情報検索を実現し、必要な情報へ迅速にアクセスする。

 一連の取り組みの結果、オーム電機では従来の部品登録作業を半日から約10分に、顧客や取引先への調査回答のアップロード時間を約30分から約5分に短縮した。ヒューマンエラーを抑制し、顧客対応のスピードを高められている。例えば、環境規制の改定時に影響を受ける部品や製品を素早く特定したり、取引先からの過去製品に関する問い合わせに対して出荷時点での規制適合状況を確認したりできているという。

 NTTネクサソリューションズによると製造業では近年、環境規制の強化や顧客要求の高度化により、取引先からの調査依頼が増加している。オーム電機では直近十数年、含有化学物質の調査依頼が年間約170件から約1200件へと拡大していた。

 PLMシステムには、SaaS(Software as a Service)版の「Obbligato for SaaS」(NECネクサソリューションズ製)を採用した。

デジタル変革(DX)への取り組み内容
企業/組織名オーム電機
業種製造
地域浜松市(本社)
課題環境規制の強化と顧客要求の高まりで増加する含有化学物質調査に対し、製品が環境に配慮できているかを示したい
解決の仕組みPLMシステムを導入して設計BOMと生産BOMを統合し、規制物質情報データベースと連携した環境BOMを生成する。製品の構成情報と含有化学物質情報を一体管理し、規制への適合性を判定して影響部品を特定できるようにする
推進母体/体制オーム電機、NECネクサソリューションズ
活用しているデータ製品や部品の設計BOM・生産BOM、規制物質情報、紛争鉱物調査(CMRT)データ
採用している製品/サービス/技術PLMシステム「Obbligato for SaaS」(NECネクサソリューションズ製)
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