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ツルハHD、店舗従業員がマニュアル由来のナレッジを検索するシステムを導入

DIGITAL X 編集部
2026年4月21日

ドラッグストアを展開するツルハホールディングスは、店舗従業員が社内マニュアルに含まれるナレッジを活用するための検索システムを導入した。画像や図表を含む非構造化データを活用し、対話形式で必要な情報を提示することで、業務手順の確認にかかる時間を短縮し、店舗業務全体の生産性向上を図る。生成AI(人工知能)技術を使う検索機能を開発したProofXが発表した。

 ツルハホールディングスは、ドラッグストア「ツルハドラッグ」や「くすりの福太郎」などを展開している。このほど店舗従業員向けに、社内マニュアルの情報を対話形式で回答する検索システムを導入した(図1)。チャットを介して必要な手順や注意点にたどり着けるようにし、ナレッジを活用して店舗業務全体の生産性を高めるのが目的だ。2026年2月末時点で1000店舗以上への展開を完了しており、今後はグループ会社への展開を進める。

図1:生成AI技術を使う社内ナレッジ検索システムの概要

 検索システムでは、ツルハHDのマニュアル群の中から業務手順を示す画像や図表といった非構造化データをAI技術が解釈可能な形に処理し、検索対象にする。検索時には関連情報をRAG(Retrieval-Augmented Generation:検索拡張生成)技術で取得し、従業員の質問に対して回答を生成する。

 システム開発に当たっては、現場の利用を前提とした反復改善型のアプローチを採用し、現場の業務実態に即した改善を繰り返すことで、操作性と回答精度を高めた。具体的には、店舗従業員に試用環境を提供し、一定期間の利用を通じて機能追加の要望やUI(User Interface)の改善要望を収集。その内容を課題として整理し、優先順位を付けながら段階的に反映した。

 今後は、AIガバナンスの構築や活用文化の醸成、人材育成を含めた支援を進める方針である。

 システムの開発はNECが主導し、生成AI技術を使う業務改革支援を手掛けるProofXが参画した。NECは、システム全体の設計と実装を担い、反復改善を含めた開発アプローチを支援した。ProofXは、生成AI技術を適用した検索・回答機能の開発を支援した。

 ProofXによると、小売業各社の店舗では、接客や発注、商品管理などの広範な業務を限られた人員で担っている。そのため社内ナレッジを体系化したマニュアルの整備や運営の標準化に取り組んでいるが、業務の範囲が広くマニュアルが膨大になりやすい。

デジタル変革(DX)への取り組み内容
企業/組織名ツルハホールディングス
業種流通・小売り
地域札幌市(本社)
課題店舗従業員が必要な業務手順や注意点を得るためには膨大なマニュアルから探索しており、時間を要していた
解決の仕組み画像や図表を含む非構造化データをAI技術が解釈可能に変換し、RAG(検索拡張生成)技術を用いてマニュアルの関連情報を検索する検索システムを導入する。対話形式で必要な情報に到達できるようにして店舗での生産性を高める
推進母体/体制ツルハホールディングス、NEC、ProofX
活用しているデータ社内マニュアルの画像、図表、文章などの非構造化データ
採用している製品/サービス/技術生成AI技術
稼働時期2026年2月末(1000店舗超の導入完了時期)