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三菱ガス化学、ヒヤリハット情報をRAGで横断参照する危険予知支援システムの開発を開始
三菱ガス化学は、設備保全や保安防災業務における危険予知(KY)活動を支援する新システムの開発を2026年4月に開始した。RAG(Retrieval-Augmented Generation:検索拡張生成)を使って過去のヒヤリハット事例や事故防災データを横断検索し、作業に潜む危険を提示する。現場での情報収集負担の軽減や安全管理の網羅性向上につなげる。AI関連事業を手掛けるシナモンAIが2026年4月23日に発表した。
三菱ガス化学は、現場作業に関連する危険予知(KY)活動を支援するシステム「MGC-KYAS」を2023年から国内5工場で運用している。このほど、設備保全や保安防災業務におけるKY活動に生成AI(人工知能)技術を使う新システムの開発を、2026年4月から開始している。過去のヒヤリハット事例や事故防災データを横断的に参照し、安全管理の網羅性の向上につなげるのが目的だ。年内に順次展開する予定である。
新システムでは、現場担当者がPCやタブレットを通じて機器番号や作業名などのタスク情報を入力する。 RAG(Retrieval-Augmented Generation:検索拡張生成)を使って関連性の高いヒヤリハット事例や事故防災資料を横断検索し、作業に潜む危険要因を複数提示する。PDFなどの非構造化データをオリジナルのまま参照し、関連情報を基に危険情報を生成する。
現場担当者は、提示された危険情報に対して対策案や判断内容を入力する。入力したKY実績は「KY実施アプリ」を介してデータベースへ登録し、以後の危険予知活動に再利用する。
三菱ガス化学の現場では「4R KY」と呼ぶKY活動を実施している。具体的には(1)作業にひそむ危険、(2)危険のポイント、(3)対策案、(4)私たちはこうする、の4ラウンドの順に確認を進める。新システムでは、各ラウンドに沿って危険情報を提示し、現場担当者の判断を支援する。
そのために回答の根拠となる参照元ドキュメント明示する機能も備える。若手担当者などは、熟練者の判断基準や教訓を参照しながら学習を進める。また、AI技術が新たな視点から危険を提示することで、危険予知活動における思考のマンネリ化を防ぐ狙いがある。
三菱ガス化学は今後、国内5工場で運用を進めながら、グループ会社や協力会社への展開も視野に入れる。AI技術を使う、広範な領域での安全管理の高度化を進める考えだ。
新たな仕組みでは、AI関連事業を手掛けるシナモンAIのRAG技術「Super RAG」を採用した。シナモンAIは、MGC-KYASへ組み込むための開発を2026年から4月から開始した。。
シナモンAIによると製造現場では近年、設備の自動化が進み、従業員が日常業務の中で保安防災に関与する機会が減少している。そのため、危険感受性の低下やKY活動の形骸化が懸念されている。
一方、膨大なヒヤリハット事例や事故防災データを蓄積してきたものの、拠点や部門ごとに保存形式や管理方法が異なり、必要な情報の抽出やデータ登録の負担が大きかった。
| 企業/組織名 | 三菱ガス化学 |
| 業種 | 製造 |
| 地域 | 東京都千代田区(本社) |
| 課題 | ヒヤリハット事例や事故防災データが拠点ごとに異なる形式で管理され、危険予知(KY)活動に必要な情報を横断的に参照しにくい |
| 解決の仕組み | 事例や事故防災資料をRAG(検索拡張生成)で横断検索して、危険要因を提示する仕組みを構築する。その際、PDFなどの非構造化データをそのまま参照できるようにし、情報収集やデータ登録の工数削減を図る |
| 推進母体/体制 | 三菱ガス化学、シナモンAI |
| 活用しているデータ | ヒヤリ・ハット活動で得た事例情報、事故防災資料、作業記録など |
| 採用している製品/サービス/技術 | RAG技術「Super RAG」(シナモンAI製) |
| 稼働時期 | 2026年内(展開時期) |
