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阪急電鉄、利用者の質問意図に応じた回答に生成AI技術を使うチャットボットを提供開始

DIGITAL X 編集部
2026年6月2日

阪急電鉄は、問い合わせへの回答に生成AI(人工知能)技術を使うチャットボットを公式Webサイトで提供開始した。LLM(Large Language Models:大規模言語モデル)が利用者の質問意図を解釈し、RAG(Retrieval-Augmented Generation:検索拡張生成)によって取得した最新のWebサイト情報を基に回答を生成する。複雑な質問や未想定の問い合わせに対応可能にし、FAQ(よくある質問と答)の手動更新も不要にした。システム開発したneoAIが2026年4月15日に発表した。

 阪急電鉄が提供開始したのは、鉄道利用者からの問い合わせに生成AI(人工知能)技術を使って応答するチャットボット(図1)。種々の問い合わせに対して柔軟に応答しながら、FAQ(よくある質問と答)更新作業の負荷を軽減するのが目的だ。公式Webサイトから「阪急電鉄チャットサービス」として利用できる。

図1:阪急電鉄のスマートフォン向けホームページ(左)と、そこから起動するチャットボットの画面例

 チャットボットでは、LLM(Large Language Models:大規模言語モデル)の推論により、利用者の質問意図を踏まえながら回答を生成する。質問内容によってはAIが利用者へ問い返すことで、条件を整理したうえで回答するという。

 参照する情報は、阪急電鉄のWebサイト情報。RAG(Retrieval-Augmented Generation:検索拡張生成)向けの前処理とデータ構造化を実施し、AIが参照しやすい形式へ加工して検索精度を高めた。鉄道利用者向けの問い合わせに特化した回答品質のベンチマークを定義したほか、誤情報の案内を防ぐためにガードレールを設けている。

 RAGの利用により、Webサイト情報を更新するとチャットボット側にも最新情報が反映される運用としている(図2)。FAQを個別に手動更新する必要がなく、運用負荷を抑えながら最新情報に基づく回答を維持できるという。

図2:顧客対応に生成AI技術を使うチャットボットと期待される効果

 さらに、AIによる会話意図の自動分類と回答信頼度の判定を組み合わせることで、改善が必要な回答の優先順位を付ける仕組みも整備した。運用担当者は、AIが抽出した改善候補を確認しながらモニタリングと改善判断に注力できるよう、Human-in-the-Loop(人間参加型運用)の考え方を採り入れている。

 阪急電鉄は今後、生成AI技術の進化に合わせて顧客対応の高度化を推進するとともに、バスやタクシーなどを含むグループ全体のサービスへの展開も視野に入れる。

 チャットボットは、生成AI開発を手掛けるneoAIと共同でシステム開発し、生成AI基盤「neoAI Chat」上に構築した。基盤側での最新LLMや検索機能のアップデートを反映しながら、継続的に精度向上を図る。

 阪急電鉄ではこれまで、想定される質問と回答ペアを事前に作成するFAQ型チャットボットを運用してきた。しかし、未想定の質問に回答できないことや、FAQの作成・更新作業が負担となっていた。

デジタル変革(DX)への取り組み内容
企業/組織名阪急電鉄
業種交通
地域大阪市(本社)
課題鉄道利用者からの種々の問い合わせに柔軟に対応するとともに、FAQ(よくある質問と答)の作成・更新業務の負荷を削減したい
解決の仕組み生成AI技術とRAG(検索拡張生成)を使う顧客対応チャットボットを開発し、最新の公式Webサイトの情報を基に質問意図に応じた回答を自動生成する
推進母体/体制阪急電鉄、neoAI
活用しているデータ阪急電鉄公式Webサイトの掲載情報、顧客からの問い合わせ内容
採用している製品/サービス/技術生成AI基盤「neoAI Chat」(neoAI製)
稼働時期--