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みずほFG、現場部門が主導でAIエージェントを開発するための全社基盤を構築

DIGITAL X 編集部
2026年6月15日

各部門が業務に合わせてAI(人工知能)エージェントを開発・運用するための全社共通基盤を、みずほフィナンシャルグループ(みずほFG)が構築し、2026年5月上旬から各部門での利用を開始した。AI利用に対するガバナンス基準を満たしながら、非エンジニアをを含む現場主導でのAI活用を加速させる。2026年5月25日に発表した。

 みずほフィナンシャルグループ(みずほFG)が構築したのは、各部門が業務に合わせたAI(人工知能)エージェントを開発・運用するための全社共通基盤。組織全体でAI利用の実態を管理しながら、現場部門の非エンジニアが主体となって活用を進められるようにするのが目的だ。各部門では、2026年5月上旬から同基盤の利用を開始している。

 新基盤では、部門ごとのアクセス権限を管理するほか、シングルサインオン(SSO)による認証機能を備える。利用ログを一元管理し、誰がどのAIを利用したのかを把握できるようにした。

 本格活用に先行して法人営業領域では、制度融資の選定や提案業務を支援するAIエージェントの活用を実証実験した。全体で平均41.8%の業務時間削減を達成したという。特に若手行員では、平均52.2%の時間削減につながった。

 一部の部門では既に、具体的な業務活用を見据えたユースケース案の設計に取り組んでいる。

 産業調査部では、AI技術による業務支援を調査・分析業務のワークフローに組み込み、アナリスト業務の高度化に取り組んでいる。情報収集や資料作成などの前工程の効率化に加え、仮説構築や論点整理などの思考プロセスへの応用を検証していく。仮説構築や戦略立案での品質向上につなげる考えだ。

 人材・組織開発部では、みずほグループ内の部署・制度・学習コンテンツなどのデータを活用し、社員1人ひとりに合わせたAIキャリアナビゲーションの構築を進める。社員の志向や経験を踏まえながら、キャリアの棚卸しからキャリアプランの作成、学習計画の検討までを対話型AIで伴走する仕組みの構築を目指す。

 みずほFGによると、金融機関における生成AI技術の導入では、AI活用の拡大と厳格な統制管理の両立が課題となっている。

 金融庁が公表した『AIディスカッションペーパー(第1.1版)』では、組織横断的なガバナンスの重要性を示している。具体的には、生成AIなどに対するモデルリスク管理や顧客保護、ハルシネーション(幻覚)や情報漏洩を防ぐための厳格な体制構築が求められている。そのため、金融機関ではAI開発が一部の専門部門に閉じやすい構造があるという。

 新基盤には、企業向けのオープンソースの生成AIアプリケーション開発基盤「Dify Enterprise」を採用した。従来、デジタル・AI活用推進を担うデジタル戦略部のみに留まっていたAIエージェント開発環境のノウハウを、セキュリティを担保しながら現場に展開する。

デジタル変革(DX)への取り組み内容
企業/組織名みずほフィナンシャルグループ
業種金融・保険
地域東京都千代田区(本社)
課題ガバナンスを維持しながら、業務を熟知した現場部門がAI技術を活用して業務改善を進められる体制を整備したい
解決の仕組みアクセス権管理や利用ログ管理を備えた全社共通のAI開発基盤を整備し、非エンジニアでもAIエージェントを開発・運用できる環境を構築する
推進母体/体制みずほフィナンシャルグループ
活用しているデータ制度融資に関する情報、社内の部署・人事制度・学習コンテンツ情報など
採用している製品/サービス/技術オープンソースのAI開発基盤「Dify Enterprise」、AIエージェント
稼働時期2026年5月上旬(業務部門での利用開始日)