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住友ゴム、タイヤ性能評価の構造解析を効率化するためのAI技術を開発

DIGITAL X 編集部
2026年6月17日

住友ゴム工業は、タイヤ設計時の構造解析のためのAI(人工知能)技術を開発した。タイヤと路面の接地状態や変形挙動を短時間で予測し、設計検討の効率向上につなげる。住友ゴムが2026年6月3日に発表した。

 住友ゴム工業が開発したのは、タイヤ設計時に性能を予測する構造解析のためのAI(人工知能)技術。タイヤと路面の接地状態や、変形挙動を短時間で予測し、設計段階での検討作業を効率化するのが目的だ。タイヤ設計のための開発ツールとして、2027年4月の実用開始を目指す。

 新技術では、タイヤ設計に関するノウハウや実際の設計データをAIモデルに学習させ、構造解析の結果を予測する(図1)。データはタイヤ構造を網の目で表現したメッシュデータや、空気圧・荷重・材料情報などを利用する。

図1:タイヤ設計時の構造解析のためのAI(人工知能)技術の概要

 入力されたデータからの予測は、GNN(Graph Neural Network)のアルゴリズムをベースとするAIサロゲートモデルを利用する。従来の数値シミュレーションの結果を近似的に再現することで、計算時間を短縮する。

 実証実験では、従来のFEM(Finite Element Method:有限要素法)で約45分要していた解析を約5分で実施した。予測精度についても、タイヤと路面の接地形状を平均87.7%の精度で再現した。

 AI技術の開発には富士通が協力し、CPU(中央処理装置)「FUJITSU-MONAKA」(富士通製)での動作を前提に設計した。

 今後は、2026年12月までにFUJITSU-MONAKA検証機での実証を開始し、推論速度や予測精度、電力効率の最適化を進める計画である。加えて、接地解析以外の構造解析にも適用範囲を広げるほか、解析の専門知識を持たない設計者でも直接利用しやすい設計開発支援ツールとしての整備を進める。

 住友ゴムによると、ものづくりの現場では製品や構造物の性能や安全性を評価するCAE(Computer Aided Engineering)解析には多大な解析時間を費やしてきた。その解析手法の1つであるFEM解析では、解析精度を高めるためにメッシュの要素数を増やすと計算量が増大し、計算時間や開発コストが膨らむ。解析業務には専門知識が必要で、熟練技術者の確保も課題となっている。

デジタル変革(DX)への取り組み内容
企業/組織名住友ゴム工業
業種製造
地域神戸市(本社)
課題タイヤの構造解析に要する時間とコストを削減しながら、性能評価の精度を維持したい
解決の仕組みタイヤ設計のノウハウや実設計データを学習したAIサロゲートモデルを開発し、FEM(有限要素法)解析の結果を高速に予測することで、設計段階での構造解析を効率化する
推進母体/体制住友ゴム工業、富士通
活用しているデータタイヤの実設計データ
採用している製品/サービス/技術CPU「FUJITSU-MONAKA」(富士通製)、グラフニューラルネットワークのアルゴリズム、AIサロゲートモデル
稼働時期2027年4月(タイヤ開発ツールとしての実用開始時期)