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東京メトロ、CBM実現へ変電設備の故障予兆を分析するAI基盤の実証を開始

DIGITAL X 編集部
2026年6月23日

東京地下鉄(東京メトロ)は、鉄道変電所と電気室を対象に設備状態を遠隔監視する仕組みの実証を開始した。種々のセンサーなどで取得したデータを常時監視し、AI(人工知能)技術で分析することで、故障予兆を早期把握するCBM(Condition Based Maintenance:状態基準保全)へと移行する。2026年5月26日に発表した。

 東京メトロが実証を始めるのは、鉄道変電所や電気室の設備状態を遠隔監視するAI(人工知能)分析基盤の「REFMa CoRE」。設備の異常兆候を早期に把握しながら、CBM(Condition Based Maintenance:状態基準保全)へと移行するのが目的だ。2026年度は、千代田線代々木変電所と表参道電気室を重点エリアに位置付けて検証する。その結果を踏まえ、2027年度以降には対象エリアを拡大する計画だ。

 REFMa CoREでは、キュービクル(高圧設備)などの変電設備に取り付けたカメラや温湿度センサー、塵埃(じんあい)センサー、部分放電センサーなどから映像や状態データを取得する(写真1)。

写真1:キュービクル(高圧設備)に取り付けたカメラやセンサーの例

 監視画面では、キュービクルの状態を一覧表示する(図1)。設備ごとに状態データを確認し、異常が発生した設備はアラート表示する。

図1:変電所内のキュービクル(高圧設備)の状態を確認するためのダッシュボード例

 個別設備の詳細画面では、温度や湿度、盤内温度、塵埃量、コンデンサー変位などの推移を時系列で表示する(図2)。設定したしきい値を超えた場合にアラートを発報し、その後に現地確認を実施する運用を採用する。定期的に設備を巡回して異常を探す方式ではなく、データに基づいて必要な設備を重点的に点検する方式へ転換する。

図2:個別設備の詳細なトレンドグラフのダッシュボード例

 東京メトロは今回の取り組みにより、設備状態の高頻度監視による故障予兆の早期把握、感電などの危険を伴う現地作業の削減と労働災害の防止、現地移動や目視点検の削減による検査時間の短縮を見込む。検査時間は最大60%程度の短縮を見込む。

 東京メトロでは従来、現地確認を中心に設備の定期検査を実施してきたが、労働人口が減少する中で保守体制を維持することが難しくなっている。鉄道事業を持続的に運営していくためには、メンテナンス作業の効率化や検査周期の最適化が必要になっている。

デジタル変革(DX)への取り組み内容
企業/組織名東京地下鉄(東京メトロ)
業種交通
地域東京都台東区(本社)
課題メ働人口の減少が進む中でも鉄道設備の安全性を維持しながら、メンテナンス作業の効率化や検査周期の最適化を図り、保守業務を高度化したい
解決の仕組み変電所・電気室に設置したセンサーで設備状態を常時監視し、得られたデータAI技術で分析して異常兆候や故障予兆を把握することで、定期点検中心の保守からCBM(状態基準保全)へ移行する
推進母体/体制東京地下鉄
活用しているデータ鉄道変電所および電気室内の設備の映像、温度、湿度、部分放電、塵埃(じんあい)、振動、絶縁抵抗などの状態データ
採用している製品/サービス/技術センサー、AI
稼働時期2026年度(重点検証の期間)