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鹿島建設、鋼管柱へのコンクリート充填時の異常を検出するAIを遠隔監視システムに実装

DIGITAL X 編集部
2026年7月27日

鹿島建設は、CFT(Concrete-Filled Steel Tube:コンクリート充填鋼管)構造におけるコンクリート充填作業を遠隔監視する工事映像配信システムに、AI(人工知能)による異常検知システムを実装した。充填中の映像をリアルタイムで解析し、施工状態を判定することで、品質管理の高度化を図る。2026年7月8日に発表した。

 鹿島建設の「moni-as(モニアス)」は、CFT(Concrete-Filled Steel Tube:コンクリート充填鋼管)構造のコンクリート充填作業の施工状況を遠隔監視するための工事映像配信システム。このほど、充填作業における異常をAI(人工知能)技術で検出するシステムを実装した(図1)。施工担当者や専門技術者による監視を補完し、異物混入などの異常を早期に発見して品質管理上の対応力を高めるのが目的だ。

図1:「moni-as」にAI支援システムを追加した後のシステム構成

 moni-asでは、コンクリート充填中の映像をAIが常時解析し、異常の有無を専門技術者と同等の判断基準で評価する。評価では(1)異物混入、(2)コンクリート性状、(3)鉄骨の柱と梁の接合部を一体化するための鋼板(ダイアフラム)の通過タイミング」の3項目を判定する。

 異物混入では、鋼管柱内に混入した異物を検知する(図2)。コンクリート性状では、流動状態などを解析して施工状況を判定する。

図2: moni-asの画面(左)と、AIが異常を検知した際の通知画面

 ダイアフラム通過タイミングでは、コンクリートが各ダイアフラムを通過する時刻を把握し、適切な充填速度として1m/分以下を維持しているかを計算する。診断結果は、「正常(緑)」「注意(黄)」「異常(赤)」の3段階で表示し、判断理由をレポートとして提示する。

 評価のためのAIモデルは、2000時間以上に及ぶコンクリートの充填映像を学習データとして利用し、鹿島が蓄積した施工ノウハウを組み込んで構築した。専門技術者と同等の判断基準で異常を検出するという。

 開発に際しては、鋼管柱内にペットボトルを混入させるなど、異常を模擬したモックアップ試験を実施した(図3)。検証の結果、3項目で高精度かつリアルタイムに診断・検知できることを確認した。その後、複数のCFT構造の実施工現場に導入し、従来通りの品質を確保できることを確認している。

図3:ペットボトルを用いた異物検知の検証例(左)と、診断レポートの例

 AIシステムの実装はAI(人工知能)技術などを開発するRidge-iが支援し、さくらインターネットのVM(Virtual Machine:仮想マシン)型GPU (Graphics Processing Unit:画像処理装置)クラウドサービス「高火力VRT」上に構築した。GPUによる並列演算処理と低遅延の映像配信を組み合わせることで、複数項目の診断を実現している。

 CFT構造は、鋼管柱の内部にコンクリートを充填することで強度を高める構造で、中高層建築物などで採用されている。鹿島では、異物が混入した場合や施工状態に異常が発生した場合には作業を中断するなど、品質管理に当たっては施工担当者や専門技術者は長時間作業現場に立ち会い、充填状況を監視してきた。

デジタル変革(DX)への取り組み内容
企業/組織名鹿島建設
業種製造
地域東京都港区(本社)
課題CFT構造のコンクリート充填作業において、異物混入や施工異常を早期に発見し、品質を安定して確保したい
解決の仕組み異物混入、コンクリート性状、ダイアフラム通過タイミングを自動判定する機能を工事映像配信システムに実装し、施工状況を遠隔監視する
推進母体/体制鹿島、Ridge-i、さくらインターネット
活用しているデータコンクリート充填作業を撮影した映像データ、施工映像を用いた学習データ
採用している製品/サービス/技術工事映像配信システム「moni-as」(鹿島建設製)、VM型GPUクラウドサービス「高火力VRT」(さくらインターネット製)
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