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南海電鉄、乗務員と車両の運用計画を自動作成するシステムの構築を開始、2027年度稼働へ

DIGITAL X 編集部
2026年7月24日

南海電鉄(南海電気鉄道)は、量乗務員の配置計画と列車ダイヤに基づく車両の割り当て・循環計画を自動作成するシステムを構築する。複雑な制約条件を考慮した運用計画を短時間で作成し、ダイヤ改正時に集中する計画策定業務の効率化を図る。2027年度のダイヤ改正から業務適用を目指す。2026年7月14日に発表した。

 南海電鉄(南海電気鉄道)が開始したのは、乗務員の配置計画と列車ダイヤに基づく車両の割り当てや循環計画を自動作成するシステムの構築(図1)。複雑な制約条件を踏まえた計画を短時間で作成し、ダイヤ改正時に集中する運用計画作成業務を効率化するのが目的だ。

図1:乗務員や車両の運用計画を自動作成するシステムの概要

 新システムは2025年度、南海線での効果検証を実施した。従来、20日間を要していた1カ月分の車両運用計画の策定を数日程度に短縮できることを確認している。これを受けて、対象線区を南海線・空港線、高野線・泉北線へ拡大するとともに、2027年度以降のダイヤ改正から稼働開始を目指す。

 新システムが自動作成するのは、(1)乗務員運用計画、(2)車両運用計画、の2つ。量子コンピューティングの考え方を応用した組み合わせ最適化技術を用いて運用計画を作成する。

 乗務員運用計画では、列車ダイヤや勤務条件などを基に、各種制約を満たす乗務員の配置計画を作成する。また、仮想のダイヤごとに必要な乗務員数の短期間で検証する機能を備える。ワンマン運転の拡大や、2031年春からの開業を目指しているなにわ筋線の開業を見据えた輸送計画の検討、災害時の対応計画の策定に役立てる。

 一方の車両運用計画では、車両形式や運用制約、検査・点検計画、留置条件などを考慮しながら、車両の割り当てと循環計画を作成する。特に、事故や故障などの突発事象によって運用が乱れた際、最終入庫情報を基に翌日以降の計画を再作成し、計画担当者の業務負荷を軽減する。

 さらに、自動作成した計画を評価する機能も備える。乗務員運用計画では、必要要員数や勤務拘束時間、休憩時間、各種制約の充足状況などを、車両運用計画では、検査・点検を実施した車両数などを指標に自動計算・可視化する。計画担当者は複数案を比較し、計画の妥当性や改善余地を確認しながら最終案を決定する。

 南海電鉄によると、乗務員のシフトや車両運用は、計画担当者が手作業で作成しており複雑な計画に手間がかかっていた(写真1)。

写真1:手作業による従来の乗務員シフト作成の様子

 組み合わせ最適化には「CMOSアニーリング」(日立製作所製)を採用した。量子コンピューターの計算原理を半導体回路で擬似的に実現した技術で、多数の制約条件を考慮する組み合わせの問題を得意とするという。

デジタル変革(DX)への取り組み内容
企業/組織名南海電鉄(南海電気鉄道)
業種交通
地域大阪市(本社)
課題乗務員の配置計画と車両の割り当て・循環計画の作成を効率化し、ダイヤ改正時に集中する計画策定業務の負荷を軽減したい
解決の仕組み多数の制約条件を処理する組み合わせ最適化技術を活用し、計画を自動作成するシステムを構築する。計画案を評価・比較することで担当者が最終決定を下せるようにするとともに、突発的な運行乱れ発生時の再計画にも対応する
推進母体/体制南海電鉄、日立製作所
活用しているデータ列車ダイヤ、勤務条件、乗務員数などの乗務員情報、車両形式、運用制約、検査・点検計画、留置条件などの車両運用情報
採用している製品/サービス/技術組み合わせ最適化技術「CMOSアニーリング」(日立製作所製)
稼働時期2027年度のダイヤ改正