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カルビー、部門横断データをAIシミュレーションするS&OP基盤を本格稼働
カルビーは、原料調達から生産、物流、営業、マーケティング、財務までの部門データを横断的に統合し、AI(人工知能)技術で複数の計画案をシミュレーションする基盤を2026年7月から全社で本格稼働している。サプライチェーン全体の収益性向上につながる意思決定を目指す。2026年7月16日に発表した。
スナック菓子大手のカルビーが2026年7月から全社で本格稼働しているのは、自社開発したS&OP(Sales & Operations Planning:販売・運用計画)基盤の「C-BOSS(Calbee Business Optimization Simulation System)」(図1)。各部門が保有するデータを横断的に統合し、AI(人工知能)技術を使って制約条件を反映した複数の計画案をシミュレーションする。グループ全体の利益最大化につながる意思決定を支援するのが目的だ。
C-BOSSでは、原料調達から生産、物流、営業、マーケティング、財務など各部門が保有するデータを一元管理する。さらにばれいしょ(馬鈴薯)の収量や、工場のキャパシティといった制約に加えて、原料使用量や物流コストなどの条件を組み込んで利益への影響を試算する。
試算結果を基に複数のシナリオを比較・検証し、その結果を販売計画、生産計画、調達計画などに反映することで、サプライチェーン全体を対象とした収益性の向上を図る。
C-BOSSの開発は2024年10月に着手し、2026年1月に完成した。その後、各部門への展開を進めてきた。導入・定着に際しては専門チームを立ち上げるとともに、営業、営業支援、SCM(Supply Chain Management:サプライチェーン管理)、財務などの関係部門を対象に、全国の拠点で100回以上の説明会を開いた。実機を使ったトレーニングも実施したという。
今後は社内での運用を通じて改善を進めながら、S&OPでさらなる意思決定の高度化や活用領域の拡大を目指すとしている。
生産・調達計画は従来、営業部門がExcelで販売計画を作成し、その計画を基に調整していた。原料・生産・物流・販売など、バリューチェーン全体の情報をタイムリーしながら収益性を評価するのが難しかったという。
カルビーは、創立100年を超えて成長を続ける企業を目指し、デジタル・ITを通じた変革を推進している。2025年10月には「カルビーグループのDXロードマップ」を策定し、その中核施策としてS&OPを位置付けている。C-BOSSの開発はその一環。
| 企業/組織名 | カルビー |
| 業種 | 製造 |
| 地域 | 東京都千代田区(本社) |
| 課題 | バリューチェーン全体の収益性を横断的に把握できず、グループ全体の利益を最大化する意思決定に時間を要していた |
| 解決の仕組み | 各部門のデータを横断的に集約し、AI技術で複数の計画案の利益影響をシミュレーションすることで、部門横断での迅速な意思決定を可能にする |
| 推進母体/体制 | カルビー |
| 活用しているデータ | 各部門が保有する種々のデータ、ばれいしょの収量、工場のキャパシティ、原料使用量、物流コストなど |
| 採用している製品/サービス/技術 | AI技術 |
| 稼働時期 | 2026年7月(全社本格稼働) |
