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  • DX時代に不可欠なデータリテラシー入門

データを論じる力を高める=組織にリテラシーを定着させる【第7回】

今井 浩(クリックテック・ジャパン カントリーマネージャー)
2020年11月30日

データリテラシー文化の発展に寄与する5つ役割

 次にデータリテラシー文化の発展に寄与する人物像(ペルソナ)を紹介します。データリテラシー文化を発展させていく物語の登場人物には「エグゼクティブレベル」「データサイエンティスト」「データチャンピオン」「データドリーマー」「データ懐疑者」の5つがあり、それぞれが重要な役割を果たします。

エグゼクティブレベル

 企業や組織におけるミッションやビジョンを掲げ、組織内に発信していく立場です。エグゼクティブが持つ熱意と指示により、組織で共鳴が起こり活動の推進力が生まれます。データリテラシー文化を組織内で構築し浸透させていくには、エグゼクティブの理解とメッセージは不可欠です。

データサイエンティスト

 統計学的な知識を持ち、分析的思考に長けている人物です。データを利用する企業や組織において重要な役割を果たします。

 かつては、データを扱えるのはデータサイエンティストに限られるイメージでしたが、それが今では広がりつつあります。そのため、データサイエンティストは自身が持つスキルを他者に広げるスキルも求められるようになってきました。

 データサイエンティストの業務は高度な技術が必要になるので、継続的に技術を向上させ、行き詰まることがないように後押しする必要もあります。

データチャンピオン

 誰よりも意欲が高い人物です。多くの時間を、データを扱うための学習や実践に費やします。めきめきとスキルを向上させていく姿と熱意が一般社員を鼓舞し、リーダーシップを発揮していきます。

 データチャンピオンは、データのビジュアライゼーション、分析、統計のスキルを駆使し、組織が持つビジョンの実現のために大きく貢献するような人物です。

データドリーマー

 データリテラシー文化の理念や理想を広める人物です。多くがデータ利用のためのスキルを学習し、データを使って組織全体で協力していくことを願い、行動します。誰よりもデータリテラシー文化の本質を理解し、具現化できる人物でもあります。エグゼクティブが持つビジョンを支え、企業や組織のデータリテラシー文化を前進させます。

データ懐疑者

 データ利用の必要性に疑いの目を持つ人物です。データリテラシー文化を推進しようとしている企業や組織において絶妙なバランスで存在し、この人物との向き合い方が成否の鍵にすらなり得ます。彼らを怒らせたり混乱させたりしないように、彼らが持つ誤解を解いていくことが重要です。

 データ懐疑者は、ふとしたきっかけで優秀なリーダーへ転じる可能性があります。必要なことは正しい方向(考え方)を指し示し、ほんの少し後押しするだけです。データ分析がビジネスや、その人にメリットがあることを示して理解してもらいましょう。

データリテラシー文化の定着は組織の“進化”である

 あなたはデータリテラシー文化のための6つの要素を身に付けられそうでしょうか。また文化の発展に寄与する人物像としては、どれが最も近かったでしょうか。

 データリテラシー文化を繁栄させていくためには、企業や組織内でデータ主導の習慣を広めていく必要があります。データリテラシーがイノベーションに必要であることを受け入れ、組織全体にデータリテラシー文化を吹き込むようにします。

 こうした取り組みは、組織の文化が“変化”しているのではなく“進化”しているのだと捉えましょう。データリテラシー文化の定着は、データの世界で成功することに寄与します。

 なお本連載は、データ活用のためのオンライン学習プラットフォーム「データリテラシープロジェクト」が提供する動画コンテンツを参考に構成しています。動画も併せてご活用ください。

今井 浩(いまい・ひろし)

クリックテック・ジャパン カントリーマネージャー 1970年生まれ。1992年に日本IBMへ入社し、営業職とともに1999年までアメリカンフットボール選手として活躍。SAPジャパン、日本マイクロソフトを経て2014年よりEMCジャパン データ保護ソリューション事業本部長。2019年10月より現職。「PASSION」「PLAY TO WIN」「ONE TEAM」が座右の銘。