- Column
- カメラがセンサーに、画像認識で進む“状況”のデジタル化
画像認識技術搭載のAIカメラがヒトやモノの動きをデータに
エッジや5Gなどとの組み合わせで適用範囲を拡大
2023年10月3日
カメラと画像認識技術を組み合わせた「AIカメラ」の活用範囲が広がっています。A（I 人工知能）の技術分野の中でも画像認識は、その開発が先行する分野の1つです。その機能を使うことで、カメラはさまざまな“センサー”の役割を果たせます。AIカメラの基礎と、その活用例などを紹介します。
「AIカメラ」は、カメラで撮影・録画した画像や映像をAI（人工知能）技術を使って解析し、人やモノといった物体を検知したり、人の目では見分けるのが難しかったり分からない製品の異常や不具合を見つけたりするための装置や仕組みのことです。少子高齢化や労働人口減少などを背景にした業務の効率化・自動化ニーズの高まりが、AIカメラへのニーズも高めています。
業務の効率化やセキュリティの強化などが可能に
AIカメラの導入メリットとしては、大きく3つを挙げられます（図1）。
メリット1：業務の効率化やコスト削減
定型業務を中心に、これまで人が担ってきた確認作業や判断を伴う作業、経験や慣れが必要な作業などを自動化することで、効率化とコスト削減が見込めます。例えば、人による検品作業をAIカメラに置き換えれば、人件費やリードタイムを含め、生産性が数十倍も高まるケースもあります。
メリット2：セキュリティの強化や安全性の向上
物体認識や顔認識などの機能により、監視カメラもリアルタイムな異常検知システムとして利用可能になります。危険が伴う現場で作業員が安全装置を身につけているかの確認もできます。ドローンにAIカメラを搭載すれば、鉄塔や橋梁など保全作業にも利用できます。カメラに映っている人びとの個人情報やプライバシーの保護に対しては、映像をAI 技術で匿名化することで対応可能です。
メリット3：提供価値や売り上げの向上
人の目視による判断や手作業では不可能だった事象に対応できます。例えば、製品や設備の故障の予兆を判断してサービス品質を高めたり、製造設備の歩留まりやサプライチェーンの改善により売上高の向上に寄与できたりします。自動運転のように全く新しい価値の提供も可能です。