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変動する計算負荷にどう備えるか、製造業DXを止めないGPU基盤の考え方

「Industrial Transformation Day 2026」より、ハイレゾ GPU事業本部 マーケティング部 部長の諸井 登司也 氏

森 英信(アンジー)
2026年6月8日

開発のテンポや瞬間負荷に合わせて“使い続けられる”GPUを設計する

 GPUの前提設計の不整合を解消する手段として、ハイレゾが展開するのがGPUクラウドサービス「GPUSOROBAN」だ。経済産業省の「クラウドプログラム」認定を取得し、累計2000件の導入実績を有する。既に「自動車業界、SIer、電機メーカーから学術研究機関まで、幅広い分野に計算力を届けてきた実績がある」(諸井氏)

 GPUSOROBANは、GPUを「時間の性質」に基づき(1)AIスパコンクラウド NVIDIA HGX H200、(2)計算クラスター NVIDIA HGX B200の2つのサービスに分けて提供している(図2)。

図2:継続処理向けの「AIスパコンクラウド H200」と、瞬間最大負荷処理向け「計算クラスター B200」を使い分ける例

 AIスパコンクラウド H200は、月額定額制を採用する。外観検査AIのように「負荷の変動を伴いつつも開発・改善が継続する処理の用途に適する」(諸井氏)という。GPUの確保や返却に関わる都度の判断を伴わず「業務のテンポを維持したまま開発・改善活動を進められる」(同)

 計算クラスター B200は、従量課金制のスポット利用に対応する。最小単位を「GPU1枚・1分間」に設定しており「CFD/デジタルツインのような瞬間的な最大負荷が発生する局面で有効なサービス」(諸井氏)だという。GPU数とジョブの実行時間に応じた課金のため「常にGPUを持っておく必要がなく、計算が終われば維持コストも不要」(同)とする。

業務インフラとしてGPUを定着させる

 導入を支援するためGPUSOROBANは、高松市に構えるGPU特化のデータセンターをはじめ「地域の既存施設を有効活用してコストを抑制している」(諸井氏)という。AIスパコンクラウド H200では「NVIDIA H200(SXM)×8枚、GPUメモリ合計1128GB」構成で他社クラウドの料金に対し、約70%低い水準に留める。

 価格設定を諸井氏は「単なる値下げの結果ではなく、GPUを『どう使い続けるか』という運用の前提から導き出されたものだ」と強調する。導入検討中の企業に向けては、実際のワークロードでのGPUの使われ方を検証できる無料トライアル環境も提供する。

 講演の最後に諸井氏は「製造業DXを“止まらない”前提でGPUを設計できているのかを考えてほしい。研究設備のままにするか、業務インフラとして確立させるか、戦略的なリソースにするその判断がDXを前に進める」と締めくくった。

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