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アパレルなど小売業におけるシェアリング型サービス用システム、三越伊勢丹と共同開発した仕組みを富士通が外販

志度 昌宏(DIGITAL X 編集長)
2019年6月21日

小売業が衣料品などをレンタル提供するなどシェアリング型サービスを実現するための仕組みを富士通が2019年6月19日に提供を開始した。消費者に提供するスマートフォン用アプリケーションと在庫管理などのクラウドサービスとして提供する。三越伊勢丹と共創型で開発した仕組みを汎用化して提供する。同日に発表した。

 富士通の「FUJITSU Retail Solution Dassen boutique(ダッセンブティック)シェアリングアプリ」は、スマホ用アプリケーションを使って、実店舗とオンラインを組み合わせたシェアリング型サービスを実現するためのクラウドサービスである。三越伊勢丹と共創型で開発・検証してきた仕組みを汎用化し商品化した。

 Dassen boutiqueで可能になるのは、服と雑貨など複数商品を一定期間、定額でレンタル提供するサブスクリプション型サービスなど。顧客は、専用のスマホ用アプリを使って、店頭またはオンラインで商品を閲覧したりレンタルを予約したりできる(図1)。QRコードによる商品情報の読み取りや、販売員とのチャットでのコーディネート相談など、顧客を実店舗に誘導する仕掛けもある。

図1:「FUJITSU Retail Solution Dassen boutiqueシェアリングアプリ」のモバイルアプリの画面例

 クラウド上では、提供する商品の個品管理や、レンタル予約に応じた在庫管理の機能を提供する。個品管理にもQRコードを用いる。スマホ用アプリやQRコードのアクセス履歴から顧客行動を把握することもできる。

 三越伊勢丹は、Dassen boutiqueの仕組みを銀座三越3階で展開するドレスのシェアリングサービス「CARITE(カリテ)」に利用している。当初、2018年6月から11月までの実証実験としてサービスを開始したが、想定以上の実績と反響があったことからサービス提供を今も継続している。

 富士通は今後、より多様なシェアリングサービスが提供できるように機能拡充を図るとしている。

 Dassen boutiqueの利用料金は、初期費用が600万円(税別、以下同)、月額利用料は30万円からである。