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米キャタピラー、自動運転の建機を複数連携し現場作業を最適化する「Maestro」計画を2020年に投入
米建機大手のキャタピラーは、自動運転機能を搭載する次世代建機を複数台連携し、現場作業の最適化を図る仕組みを2020年に市場投入する。作業タスクを建機に割り当てたうえで進ちょく状況をデータ分析し、最適になるようタスクを再割り当てする。「Maestro(マエストロ:名指揮者)」プロジェクトとして現在、開発を進めている。
米キャタピラーの「Maestro(マエストロ:名指揮者)」(プロジェクト名)は、自動運転が可能な建機を連携させることで現場全体の作業効率を最適にするための仕組みである。現場で稼働するショベルカーやダンプカーなど複数の機種の動作状況をモニタリングし、それぞれを協調動作させることでムダな動きを削減する。
Maestroの実現に向けキャタピラーは大きく2つの開発を進めている。1つは、次世代の自動運転技術を搭載する建機そのもの。ここで想定する自動運転は、遠隔操作と組み合わせたもので、オペレーターは遠隔地から建機に処理させたいタスクを割り当て、その実行をモニタリングする。
この仕組みより「1人のオペレーターが複数の建機を清潔で安全な場所から操作できるようにする。建設業界の人手不足を解消する」(建設デジタル&テクノロジー プロダクトマネージャーのFred Rio氏)。次世代自動運転対応の建機は、2020年終盤に最初の機種を投入。2021年以降、他機種にも搭載していく計画だ。
もう一つは、次世代建機の稼働状況をモニタリングし、最適なタスクの割り当てを分析するためのクラウドシステム。上記の自動運転の仕組みを使って作業計画に沿って各建機にミッションを配付したのち、その稼働状況をIoT(Internet of Things:モノのインターネット)で把握。計画とのズレなどを解消できるようにミッションを改め再配付する。
Maestro計画におけるクラウドシステムの実現を含めキャタピラーは、AI(人工知能)/ML(機械学習)などによるデータ分析や将来予測を担う新組織「CAT Digital」を米シカゴに新設した。自動運転など建機側の仕組みは、既存のCAT Technologyが担当している。
なおキャタピラーの自動運転に対する取り組みに関するFred Rio氏へのインタビュー内容は別掲記事でお伝えする。