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銀行API使う新サービスがテーマのコンテスト、iBankマーケティングが開催
「Wallet “+” Bank “×”APIs = neoBank’s Services !」より
決済ほか見守り、宅配、シェアリングなどのアイデアも
今回のコンテストに参加した企業は6社。それぞれが1社当たり7分のピッチ形式でアイデアを発表した(表2)。
企業名(登壇順) | サービス名 | 概要 |
---|---|---|
ネオシステム | 家族見守りサービス | 離れて暮らす家族の口座情報を紐づけ「設定金額以上の引き出し」「一定期間引き出しがない」などのアラートを通知する |
イジゲン | ユーザーニーズマッチング | 定額商品検索を入口に、検索データと目的預金データを活用し、Wallet+との間で相互に送客する |
フォノグラム | 銀行支店で荷物受取サービス | Wallet+本人認証を荷物受取に活用。運送業者の再配達課題を銀行受取にして解決する |
電算システム | QR決済アラート機能 | QR決済へのチャージ金額の見える化や上限額の設定により、利用者の悩みである使い過ぎを防止したり、余ったお金を貯蓄したりする |
ラック | リモートワーク支援サービス~Work+~ | 銀行のコワーキングスペースや空きスペース情報を利用者に提供する |
リマークジャパン | AIによる保険商品推奨プログラム | 利用者の金融情報などからスコアリングをし、保険商品を推奨するとともに、アプリ内で購入できるようにする |
アイデアの審査員は、iBankマーケティングの永吉 氏のほか、ふくおかフィナンシャルグループと沖縄銀行、十六銀行、南都銀行、広島銀行、山梨中央銀行の共催各行のデジタル推進担当者、および日経FinTech編集長の岡部 一詩 氏が務めた。
審査の結果、最優秀賞にはリマークジャパンの「AIによる保険商品プログラム」が、優秀賞には電算システムの「QR決済アラート機能」が、それぞれ選ばれた。
リマークジャパンは、ビッグデータの解析やデータモデリングによって、保険商品の開発や、新しい顧客チャネルの開拓、引受査定や保険金請求の自動化ソリューションの再構築を手がけている企業である。
AIによる保険商品プログラムでは、利用者の金融情報を、Wallet+の口座情報照会や入出金明細照会といった参照系APIで連携し、AIを使ったスコアリングを実施し、Wallet+アプリ内で推奨保険商品をポップアップ表示する仕組みを提案した。行内振込APIのカスタマイズなどが必要になると考えられるが、保険商品の購入手続きもスマホ上で実行できる案が高く評価された。
一方の電算システムは、独立系ITサービス会社で、決済・収納代行などサービス事業も展開している。QR決済アラート機能では、各種サービス投入が続くQRコード決済に対し、入出金明細照会APIを使って収支データを参照し、Wallet+の特徴である「お金の見える化」を強化するアイデアを提案した。
加えて、QRコード決済による収支を把握し、設定した上限に到達しておらず収支に余裕があれば、目的預金への資金振替APIを利用して普通預金口座から貯蓄のための口座に資金を移動するアイデアも示した。
利用者ありきで考えたアイデアが新たなサービス創出に
審査後の講評では、日経FinTech編集長の岡部氏が審査員を代表し「今回のアイデアは、APIを利用することだけを目的にせず、利用者が何を求めているのか、社会課題を解決するには、どうすれば良いかといった観点から考えられており、新たなサービスの創出を期待できた」と評した。
実際、参加者の側からも「普段はAPIの仕様を見て考えることが多いが、今回は実現したいサービスをまず思い描いた」といったコメントや、「Wallet+は地方銀行の間に広がっており、地方出身者として可能性を感じる」といったコメントが出されていた。
今後、利用者が欲するサービスを企画・開発できる企業が増えれば、銀行APIの利活も広がり、それが利用者に受け入れられることで、Fintech関連サービスが発展するというサイクルが生まれるのだろう。