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テレワークは一時的な業務ではない、VDI環境にGPUが必要な理由
オフィス在席時もVDI環境を標準にする
vGPUの導入イメージを示したのが図2だ。オフィスで使っていた物理的なPCやワークステーションのハードウェア/ソフトウェア環境を、そのままサーバーに移す。オフィスにいてもVDI環境で業務を実行し、テレワークの際は同じ環境に外部からアクセスすれば良い。GPUを持たないシンクライアントやタブレット/スマートフォンなどは、サーバーから画面イメージだけを受け取る表示専用端末として利用する。
vGPUが実現する仮想化環境は大きく4つ。(1)最も基本的な共有デスクトップ環境、(2)事務処理業務に適した仮想PC環境、(3)グラフィック業務に向けた高性能GPU「Quadro」を仮想化した環境、(4)AIなどの高度な計算のための「コンピュートドライバー」を加えた環境である。仮想化に対応したGPU製品は、オフィス業務向けからAI、HPC(High Performance Computing)向けまで8種類があり、業務に合わせた処理環境を必要な端末に振り出せるとする。
GPUを持たないシンクライアントやタブレット/スマートフォンなどは、サーバーから画面イメージだけを受け取る表示専用端末として利用する。こうしたシステム構成をNVIDIAは「フレキシブルワークロード」と呼ぶ(図3)。
フレキシブルワークロードの価値を後藤氏は、「業務に合わせて柔軟かつスピーディに必要なスペックのワークスペースを確保でき、いずれの部署でもオフィスと同じ作業環境をテレワークで実現できる。テレワークだからと我慢する必要はない。仮想ワークロードは社員IDを基にIT管理者が配布すればよいため、戦略的な仮想ワークスペースとして業務と管理それぞれの効率化にもつながる」と説明する。
後藤氏によれば、vGPUソリューションは、ホンダや日立建機、日揮などの国内大手製造業をはじめ、不動産業界や大学などが導入している。
在宅勤務が長期化・常態化する中で、テレワーク環境の整備には各社取り組んでいることだろう。ただ後藤氏が指摘するように、緊急事態宣言下でテレワークの最適化にとどまらず、新型コロナ後の在宅勤務やオフィス業務のあり方を含めて検討する必要があるだろう。