• News
  • 流通・小売り

セルフレジ機能を持つショッピングカートの新型、Retail AIがサブスク型で提供

池田 真也(DIGITAL X 編集部)
2021年6月28日

顧客自身が決済処理までできるセルフレジ機能を持つショッピングカートの新型を、スーパーのトライアルホールディングスグループで小売業向けシステムの開発などを手掛けるRetail AIが2021年6月10日に発表した。タブレットなどの装着に合わせた専用デザインで操作性を高めるとともに、サブスクリプション型で提供する。

 トライアルホールディングスグループのRetail AIが開発・販売する「スマートショッピングカート」は、買い物客が購入する商品のバーコードをスキャンし、キャッシュレスで決済するセルレジ機能を持ったカートである。

 今回発売した新型では、セルフレジ機能に必要なタブレットとスキャナーを含めた専用デザインとし、使い勝手の向上と軽量化とともに機能強化を図った(図1)。旧型は、既存のショッピングカートにタブレット/スキャナを後付けしていた。またサブスクリプション型の月額利用モデルで提供する。

図1:新型スマートショッピングカートの中型モデル

 機能面では、チュートリアルやガイド機能を改善した。お薦め商品をタブレットに表示するレコメンド機能では、季節性や商品の移り変わりを考慮した商品を提案できるようにした。同社が持つ270億件のID-POSデータを使ってアルゴリズムを開発し、AI(人工知能)システムに学習させた。

 新型スマートショッピングカートはまず、トライアルホールディングスグループの店舗において2021年8月を目途にテスト導入し、以後、国内の小売業へ販売する。2022年以降は、海外市場への展開も目指す。

 スマートショッピングカートは、グループおよび他社の店舗では2018年2月からの導入が始まり、2021年6月時点は全国38店舗で3640台が稼働している。Retail AIの調査によれば、トライアルグループ店舗でのカート利用率は41.2%で、来店頻度の向上やレジを担当する人数の削減に貢献している。