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生成AIの国内需要額は2030年に1兆7774億円、JEITAが予測

有澤 愛文(DIGITAL X 編集部)
2023年12月25日

日本での生成AI(人工知能)関連の需要額が2030年に1兆7774億円にまで成長するとの見通しを電子情報技術産業協会(JEITA)が2023年12月21日に発表した。生成AI関連ソリューションサービスの増加率が高いという。

 電子情報技術産業協会(JEITA)が発表したのは、生成AI(人工知能)関連市場における需要額の見通し。主要各国の政策や海外先進企業の動向といった公知情報の分析と、国内先進企業へのヒアリングを元に推計した。

 同推計では、日本における生成AI関連の需要額は、2023年が1118億円で、2030年には1兆7774億円にまで成長するという。この間の年平均増加率は47.2%である(図1)。一方、世界では2023年は106億ドルで、年平均53.3%で増え、2030年には2110億ドルになるとする。

図1:生成AI関連市場の国内外の需要額

 今回の調査では生成AI関連市場を、(1)生成AI基盤モデル、(2)生成AI関連アプリケーション、(3)生成AI関連ソリューションサービスの3つに分けている。最も需要額が大きいのは(2)生成AI関連アプリケーションで、2030年に日本では1兆5209億円、世界では1950億ドルになる。

 分野ごとの年平均増加率は国内外で傾向が異なる。日本では生成AI関連ソリューションサービスが52.2%で最も大きいのに対し世界は38.5%で最も低い。一方、生成AI基盤モデルは世界では66.9%で最も大きいのに対し、日本は46%である。

 産業分野別に見た世界の2030年の需要額では、製造分野が507億ドルで最も大きく、年平均54.6%で成長すると見る(図2)。製造現場における業務支援や製品開発支援などユースケースが多岐にわたるとしている。以下は、金融の439億ドル、通信・放送の320億ドル、流通の253億ドルが続く。

図2:生成AI関連市場の国内外の分野別にみた需要額

 生成AI関連需要は、ハードウェア市場の需要も喚起するとしている。日本では6%程度、、世界では7.8%の押し上げ効果が期待できるという。対象のハードウェアは、PCやスマートフォン、ヘッドマウントディスプレイ(HMD)、サーバー、ストレージなど11品目。特にサーバーとストレージは、生成AIの処理・実行およびデータの保管・管理のために、大きな押し上げ効果が見込まれる。